


Thunderbird を 1.5 から 2.0 へアップグレードした。全般に機能性は向上していると思うが、動作におかしなところがあり、一筋縄ではいかなかった。
アップグレードする以前に非常に驚いたのだが、1.5のユーザーは黙っていると2.0の更新が通知されないらしい。さらに、1.5のユーザーには今後、セキュリティパッチは更新されない。つまり1.5ユーザーは危険な状態で永遠に置いてきぼりと言うことになる。1.5を使っている人はすぐ2.0へアップグレードしなければならない。
※追記:07.06.18(月)バージョン2.0.0.4がリリースされた時点で下記のMozillaニュースが発表された:
2007 年 6 月 15 日
Thunderbird 2 の最新版 (2.0.0.4) を公開
Mozilla は本日、製品の安定性および安全性を向上させる継続的なプロセスの一環として、Thunderbird 2.0.0.4 を公開しました。セキュリティ問題の修正が行われており、すべてのユーザに更新を推奨します。
現在 Firefox 1.5 以降のバージョンをお使いの場合、48 時間以内に自動更新機能による通知が表示されます。また、[ヘルプ] メニューから [ソフトウェアの更新を確認] を選択すれば、すぐに更新を行っていただくことができます。この更新の詳細は リリースノート をご参照ください。
「Firefox 1.5 以降」を使っていれば更新通知が来るようだ。不審に思って Firefox の入っていないPCにThunderbird 1.5 をインストールして更新通知の実験をしてみたが、やはりThunderbird 1.5 のユーザーには 2.0 の案内が来ない。まだ 1.5 の方は早めに 2.0 に更新した方がいい。
アップグレードしたら、最初に、アカウント設定を全部チェックした方が良い。私の場合、新着メッセージの確認など、設定がうまく移行できていないものがあった。それから、設定を変えたら毎回再起動したほうがよさそうだ(どうも設定の反映タイミングが不安定な気がする)。
2.0に移行して最も戸惑ったのは迷惑メールの設定だ。これはひょっとして「仕様」なのかもしれないが、私の目には「不具合」と感じるものが多い。次のパッチでは改善されていることを願う。
迷惑メールフィルタの設定は、1.5では一箇所で一括して設定していたものが2.0では次の2箇所に分かれている。
・オプション→プライバシー→迷惑メールで全体設定
・オプション→アカウント設定→(個別アカウントの)迷惑メール
個別設定はアカウント毎の設定が必要。便利なようだが面倒くさい。
最大の難関は迷惑メールの自動振り分けフォルダの指定だ。
[迷惑メール]フォルダ: のラジオボタンには選択肢が「ローカルフォルダ」しかない。これを選択肢再起動すると「迷惑メール」フォルダが作成される。しかも、1.5から使っていた「迷惑メール」と完全に同じフォルダ名で表示され区別できない。
(おそらく新しくできたで方あろう)空っぽの「迷惑メール」フォルダを削除しようとしても削除オプションが表示されない(削除できない!)。
試しに活きのいい迷惑メールを1個「非迷惑メール」に設定して受信フォルダに戻し、改めて「迷惑メール」指定する(ツール→迷惑メールフィルタを実行、でもよいが)と、瞬時に消え、行方を確認すると、(おそらく新しくできた方と思われる)空っぽの方の「迷惑メールフィルタ」に移動していた。
結論から言うと、1.5ですでに「迷惑メール」という名前のフォルダを使っていた場合は、迷惑メール設定で、その他のラジオボタン、を選択し、右端に現れる右向きの黒三角をクリックし、従来の「迷惑メール」フォルダを設定した方が手間は(わずかだが)減る(そして、設定の後は再起動も忘れずに)。そうすれば意味不明の新規フォルダが現れないからだ(少なくとも2.0.0.0では)。
が、これは後から分かったことなので、よくわからない状態の私は、[迷惑メール]フォルダ:、に選択して再起動したところ、1.5で使っていた「迷惑メール」フォルダだけに削除オプションが現れた。
つまるところ、1.5で使っていたフォルダは放棄せよということらしい。保存しておきたければ新しいフォルダに移動させるまでだ。わざわざ移動(5,000件以上あった!)、そっちに指定しなおした。私は研究用に迷惑メールを保存しているので止むを得なかったが、普通の人は迷惑メールフォルダなんて空っぽだろうからあまり気にしなくていいだろう(というか、迷惑メールフォルダが2つあろうが、どっちに振り分けられようが気にならないだろうが)。
ファイル移動が終わったら従来のフォルダを削除し、ゴミ箱を空にして作業完了。
ここまで、、Thunderbird 1.5 から 2.0.0.0 へアップグレードした場合の事例だったが、Outlook Express などをからの乗り換えで 2.0 から初めてインストールする場合、これまた意味不明の動作をする。
まず最初に迷惑メールの振り分けを設定するとき、やはりフォルダ名の指定が出来ない(「ローカルフォルダ」とだけ表示されるだけだった)。気にせずラジオボタンで指定して設定して再起動すると「Junk」というフォルダが勝手に作成されており、これが自動的に振り分け先フォルダに設定されている。
さらに別の設定を色々変えて再起動すると、「Junk」フォルダがいつのまにか「迷惑メール」と日本語名のフォルダに変わってる。
こんな感じで、迷惑メールの設定はとにかく意味不明だ。
その他、気づいた点をメモしておく。
瑣末なことではあるが、「迷惑メール」のアイコンが「ゴミ箱」だったのが「炎」に変わっている。
細かい話だが、各フォルダの見出し行は隔行で行の背景色が変わっている。隔行で白と薄い灰色だ。見やすくなった気もするがどうでもいいなこりゃ。
「拡張機能」は「アドオン」になっている。
アドオンには「Talkback 2.0.0.0」が勝手に入っていた。これはThunderbirdの不具合をMozillaに通知するもののようだ。
1.5で使っていた暫定セキュリティパッチ「Bug 309566 暫定パッチ 1.0」はそもそも2.0では最初から対応されているだろうから不要だと思うが、「対応していません」と表示される。
日付表示のパッチは、1.5のときは2種類必要だった。すなわち、見出し一覧の日付表示を変える「ConfigDate」と、メール本文の日付表示を変える「Signature Editor」だった。しかし、2.0では「ConfigDate」だけで両方の表示が改善される。署名編集をしないなら、「Signature Editor」は不要だ。
「Signature Editor」は更新版がでているので更新したのだが、「Signature Editor」の更新しかしていないと思っていたのに不思議なことに「Everyday 1.0」「Rulerrrrr 1.2」と2個のアドオンが勝手に増えている。「Everyday 1.0」は日付表示、「Rulerrrrr 1.2」は編集画面でルーラーを表示させる、というものだ。便利そうなのでそのままにしている。
最初の設定はちょっと面倒だったが、これさえ片付いてしまえば Thunderbird は非常に快適なメールソフトだ。最初の面倒な設定ができない方は Outlook Express の方がよいと感じるかもしれないが、全体的にみると、やはり圧倒的にThunderbirdの方が優秀だと思う。
関連記事:
・Thunderbird - 迷惑メールにお別れを
・Thunderbird と OpenOffice 使用レポート
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