速報:元園長ら5人と運営会社に計5701万円の賠償命令
中井保育園は事件から約3年9か月経ち、今日やっと民事裁判の1審判決が出た。刑事裁判は決着がついており、残る民事裁判の行方がどうなるか注目される。
以下、関連記事:
熱射病:送迎車内で園児死亡、元園長らに賠償命令 北九州
北九州市小倉北区の無認可保育所、中井保育園(閉園)で07年、送迎車内に置き去りにされ熱射病のため亡くなった浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2歳)の両親が、当時の園長(34)ら職員7人と市などに計約5842万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、福岡地裁小倉支部であった。青木亮裁判長(代読・金光健二裁判長)は原告側の主張を一部認め、元園長ら5人と運営会社に計5701万円の支払いを命じた。元職員2人と市の責任は認めなかった。
判決によると、暖人ちゃんは07年7月27日午後1時ごろ、遠足から送迎車で園に戻った際、職員が人数確認を怠り、約4時間にわたって車内に取り残され熱射病死した。
両親は、元園長らに対し、安全管理マニュアルがないのに、炎天下に公園に連れ出すなど不適切な園外保育をしたうえ、迅速な救命措置をしなかったなどと指摘。市についても、事故後、園側に職員を増やすなどの適切な改善勧告をしていないと主張していた。
これに対し、元園長は「直接保育事業にかかわっておらず、安全管理責任は職員にあり注意義務はなかった」。市も「具体的な危険が切迫している事情は認められず、予見はできなかった。適正に立ち入り検査して改善を求めていた」などとして請求の棄却を求めていた。
事故を巡っては、元職員2人が業務上過失致死罪に問われ、同支部は09年1月、禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。元園長については関与が薄いとして福岡地検小倉支部が不起訴としていた。【西嶋正法】
毎日新聞 2011年4月12日 13時34分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110412k0000e040096000c.html
園児熱射病死で保育園に賠償命令 北九州、不法行為を認定
2011年4月12日 14時01分
北九州市の私立中井保育園(廃園)で2007年、園外保育から戻ったワゴン車内に放置され熱射病で死亡した園児浜崎暖人ちゃん=当時(2)=の両親が、保育園側と北九州市に計約5800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は12日、保育園側に計約5千万円の支払いを命じた。市への請求は棄却した。
判決理由で青木亮裁判長は「日常の保育業務で安全管理策を取らなかった」と保育園側の不法行為を認定。北九州市については「認可外施設に関する基準に照らし、指導監督が違法だったとは言えない」と指摘した。
判決によると、暖人ちゃんは07年7月、ほかの園児と一緒に近くの公園からワゴン車で保育園に戻った際、従業員が確認を怠ったため炎天下の車内に放置され、熱射病で死亡した。
関わった元従業員2人が業務上過失致死罪に問われ、09年1月に福岡地裁小倉支部で執行猶予付き有罪判決を受けた。
(共同)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011041201000565.html
熱射病死 園に五千万円賠償命令 地裁小倉 市の責任認めず
2011年4月12日 14:20 カテゴリー:九州 > 福岡 社会
2007年7月、北九州市小倉北区の認可外保育園「中井保育園」(廃園)で、送迎車内に放置されて熱射病になり死亡した浜崎暖人(はると)ちゃん=当時(2)=の両親が、園の運営会社と保育従事者ら計7人、北九州市を相手取って、約5840万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、福岡地裁小倉支部で言い渡された。青木亮裁判長は原告の請求を一部認め、運営会社と、代表と保育従事者の計5人に約5千万円の支払いを命じた上で市への請求は棄却した。
判決理由(金光健二裁判長代読)で青木裁判長は、園側の責任については、点呼や行動確認など安全管理対策の不備を認定。市の責任については「国の基準に照らして立ち入り調査をしており、指導監督に違法性があったとはいえない」と、原告の訴えを退けた。
訴状によると、暖人ちゃんは07年7月27日、他の園児19人と園外保育に行き、帰りに送迎車内に約4時間置き去りにされ、熱射病で死亡したとされる。同日の北九州市は晴天で、最高気温は33度を超えていたという。
弁論で原告は「保育従事者は炎天下に不適切な園外保育をした上、車内確認や救命を怠った。園には園外保育の安全管理マニュアルもなく、訓練も実施していなかった」と指摘。市についても「園への立ち入り調査が不十分で、運営実態から園児が死亡する危険性も予見できたのに改善勧告などをしなかった」と主張していた。事件をめぐっては、09年に業務上過失致死罪で当時の保育従事者2人の有罪が確定し、別の2人が罰金40万円の略式命令を受けた。
=2011/04/12付 西日本新聞夕刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/236654
園児熱射病死、元園長らに5千万円賠償命令
2007年7月に北九州市小倉北区の無認可保育所「中井保育園」(廃園)の園児浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2歳)が送迎車内に放置され、熱射病で死亡した事故で、両親が北村寿和元園長(34)ら園職員7人と保育園の運営会社、同市を相手取り、約5800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、福岡地裁小倉支部であった。
青木亮裁判長(金光健二裁判長代読)は北村元園長ら5人と運営会社に計5070万円の支払いを命じた。市への請求は退けた。
この事故で業務上過失致死罪に問われた同園の元保育士ら4人に対する確定判決や略式命令によると、暖人ちゃんは7月27日午後1時頃、ほかの園児と送迎車で園外保育から戻ったが、全員降りたかの確認を4人が怠るなどしたため、屋外駐車場に止めた車内に約4時間取り残され、死亡した。
支払いを命じられたのは、北村元園長とこの4人。
(2011年4月12日15時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110412-OYT1T00647.htm
※2011.04.12(火)18:47追記:
事件からの経過年数に誤りがあったため訂正した。
※2011.06.12(日)17:40追記:
民事の地裁判決は4/29に確定していたようだ。報道によると
・「判決を真摯(しんし)に受け止め、対応したい」(北村元園長)
・「判決はやむを得ず、受け入れたい」(園側の弁護士)
とされている。しかし、これまでの経緯を考えると、真摯に反省し控訴を断念したのか、裁判費用が続かず観念しただけなのか、なんとも判断がつかない。後者だとしたら支払能力が問題となる。2年前(2009.09.12)には、
・「保育料の返還が滞っている」
・「被害者の葬儀代金・元従業員の給料は会社から一円たりとも出ていない」
(「HORNのお気軽ブログ」より引用)という指摘もあった。多額の賠償を受けて法人が破産すれば民事責任については事実上追求できなくなる可能性すらある。今後も引き続き追跡し、新たな変化があれば取り上げたい。
この民事の地裁判決の確定については、震災と原発事故に埋もれたためか、オンラインの報道記事が見当たらない。新聞紙面は西日本新聞と朝日新聞のみ見つかった(読売新聞と毎日新聞についても地元版の紙面で確認したが関連記事の掲載は見当たらなかった)。
以下、関連する2件の報道紙面について、紙面から起こしたテキストと紙面の撮影画像(リンク)を記す:
(引用ここから)
園児熱射病死控訴せず 園側
2007年、北九州市小倉北区の無認可保育所「中井保育園」(廃園)で、送迎車内に放置され熱射病で死亡した浜崎暖人(はると)ちゃん=当時(2)=の両親が損賠賠償を求めた訴訟で、福岡地裁小倉支部から慰謝料など約5071万円の支払いを命じられた園側の弁護士は28日、控訴しない意向を明らかにした。29日午前0時に判決が確定した。
判決は、点呼や行動確認など安全管理に不備があったとして、保育園の運営会社と北村寿和元園長、元職員4人に賠償を命じた。市の責任は認めなかった。弁護士によると、北村元園長は「判決を真摯(しんし)に受け止め、対応したい」と話しているという。
西日本新聞・2011.04.29(金)朝刊(18版)30面
損害賠償命じた地裁判決が確定 園児車内置き去り死
北九州市小倉北区の私立中井保育園(閉園)で2007年7月、送迎車内に置き去りにされた浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2)が熱射病で死亡した事件で、約5071万円の損害賠償金を暖人ちゃんの両親に支払うよう当時の園長らに命じた福岡地裁小倉支部判決が29日、確定した。園の安全管理に問題があったとして両親が提訴し、判決はその訴えの一部を認めた。園側の弁護士は「判決はやむを得ず、受け入れたい」と話した。
朝日新聞・2011.04.30(土)朝刊(14版)23面
(引用ここまで)
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