北九州市長・北橋健治様:出席督促書に不服です/家庭での内部被曝を放置して「食育」を主張する教育委員会から2回目の出席督促書(2012年03月13日付け)
北九州市長・北橋健治 様
出席督促書に不服です
学校給食における放射能対策に懸念があり、その対応として子供たちが大きな精神的負担を受けることが懸念される選択肢しか無いため、昨年(2011年)9月より小学生2人の登校を止めています。子供たちには学校教育と同等になるよう自宅学習させています。
これに対し、教育委員会様から2月17日付け出席督促書を受領し翌2月18日付けで即座に「出席させることのできない理由の申し出」を返信しました。しかし、昨日(3月14日)午前、2回目(一昨日・3月13日付け)の出席督促書を受領し「就学免除の事由には該当しません」と通知を受けました。
この出席督促書に不服です。抗弁する行政手続きが存在しないため、市長様に直訴します。本年(2012年)2月18日付で申し出た出席させることのできない理由を就学免除の事由として認めてください。また、別紙「学校給食食材について」は下記の問題点があります:
・場当たり的な対症療法だけあり、自治体独自の安全基準が明示されていません。教育委員会様に昨年(2011年)7月1日付けでお送りした電子メールおよび本年(2012年)2月18日付け申し出の指摘に対する回答になっていません。「給食の安全性は確保されている」とは言えません。
・放射能の「ほ」の字すら出てきません。問題の核心である放射能による内部被曝に正面から向き合わなければ問題は解決しません。
・「食育の観点からも他の児童と同じ給食を食べていただきたい」とのことですが、食育ならば家庭の食事でも内部被曝を避けられるよう明示的に放射能対策を説明すべきです。説明責任を全うする姿勢が見られません。
・九州を含む全国で放射能汚染された肥料や飼料の市場流通・使用が報道されており、「地産地消」だけでは放射能汚染の有無はわかりません。仮に地産地消としても、例えば「県内産が使用」「九州産を使用」などは1%使用でも100%使用でも同じ表記であり、使用割合まで記載しなければ無意味です。
・魚や海藻類など海産物は広範囲の放射能汚染が報道されていますが全く対策されていません。非常に危険な状態です。
・その他にも放射能測定など技術的指摘があります(この手紙では割愛します)。
以上が出席督促書とその別紙に対する不服です。
これまでの経緯はインターネット上でブログ記事として公開しておりますのでご参照下さい。下記に一部を上げます:
・2011年6月27日 (月)
北九州市の学校給食は放射能汚染の危険を回避できるか?(6/27(月):教育委員会学校保健課から返信メール)
http://techpr.cocolog-nifty.com/nakamura/2011/06/627-dbd2.html
・2012年2月19日 (日)
北九州市教育委員会様:学校給食における放射能対策に懸念があるため子供たちを出席させることができません/北九州市教育委員会から出席督促書2通(2012年02月17日付け)
http://techpr.cocolog-nifty.com/nakamura/2012/02/20120217-5c9a.html
受領した出席督促書、この手紙の全文および本件に関する経過は全て個人のブログなど主にインターネット上で公開しております。今後のやり取りに関しても同様に公開しますのでご確認ください。
2012年3月15日(木)
中村 友一
電子メール:t-naka@techpr.jp
携帯電話:090-1197-7367
個人ブログ:http://techpr.cocolog-nifty.com/nakamura/
上記のメッセージをさきほど(3/15、08:15)北九州市公式ホームページ上の送信フォーム「市長への手紙」から送信した。ここには示していないが、送信フォーム上には氏名、住所、年齢、性別、電話番号なども入力した。なお、送信直前の「入力内容確認」画面上ではサーバー側で改行が削除されていたが、送信直後に届いた確認メール上では改行は反映されている。また、当初はもう少し長文であったが「ご意見:必須は3000バイト以下で入力してください」とエラーになったため一部を削除した。
今後、北九州市が粛々とお役所仕事を進めた場合、就学義務不履行として起訴され、行政処分を受ける可能性がある。類似の事案を検索したところ、有罪判決(罰金刑)を受けた事例は過去3例で、うち1件は最高裁まで争っているようだ(下記):
第一法規法情報総合データベースの判例体系で,〈事項〉を「就学義務」,〈参照法令〉を「学校教育法」として検索したところ,5件ヒットした。そのうち,本論文の趣旨を踏まえ,義務教育における男女共学制に対する反対意見から子女を就学させなかった1事例(第一審,控訴審,上告審の3裁判例)を除くと,学校教育法違反事件(就学義務不履行)として有罪判決を受けたものは,下記の福島家裁平支部昭34・10・13判決(家庭裁判月報12巻2号150―152)と岐阜家裁昭51・2・12判決(家庭裁判月報28巻10号214―217)の2つであった。○出典:
・接触困難な長期欠席児童生徒(および保護者)に学校教職員はどのようなアプローチが可能か―法的規定をめぐる整理―、千葉大学教育学部研究紀要第59巻13~19頁(2011)(PDF、384KB)
今後の行方は分からないが、すでに表明している通り、たとえ罰金刑を受けることとなっても状況が改善しない限り子供たちの登校を再開させるつもりは無い。
以下、受領した出席督促書を示す。書状は3/14(水)午前に書留で届いた。
○出席督促書をスキャンした画像(個人情報の一部を削除):
○出席督促書のテキストを書き起こしたもの(個人情報の一部を削除):
・長女(4年生)の分:
出席督促書・二女(2年生)の分:
平成24年3月13日保護者
中村友一 様北九州市教育委員会 印
あなたの保護している下記児童は、平成23年9月2日以来欠席を続けており、出席状況が良好でないと認められますので、学校教育法施行令第21条の規定に基づき、ただちに出席させるよう督促します。
なお、平成24年2月18日付で出席させることのできない理由の申し出がありましたが、就学免除の事由には該当しませんので、速やかに登校させてください。履行されない場合は、学校教育法第144条の適用対象となります。
また、申し出の学校給食食材については、別紙により回答します。記
児童・生徒氏 中村 [個人情報削除]
住所 北九州市若松区[個人情報削除]
学校名 北九州市立 光貞小学校
学年組 第4学年 [個人情報削除]組
出席督促書・別紙「学校給食食材について」:
平成24年3月13日保護者
中村友一 様北九州市教育委員会 印
あなたの保護している下記児童は、平成23年9月2日以来欠席を続けており、出席状況が良好でないと認められますので、学校教育法施行令第21条の規定に基づき、ただちに出席させるよう督促します。
なお、平成24年2月18日付で出席させることのできない理由の申し出がありましたが、就学免除の事由には該当しませんので、速やかに登校させてください。履行されない場合は、学校教育法第144条の適用対象となります。
また、申し出の学校給食食材については、別紙により回答します。記
児童・生徒氏名 中村 [個人情報削除]
住所 北九州市若松区[個人情報削除]
学校名 北九州市立 光貞小学校
学年組 第2学年 [個人情報削除]組
学校給食食材について学校給食の食材は、まずは市内産、市内産で確保しにくい場合は、県内産、そして九州産、国内産という地元に近いところから調達する地産地消の考え方を基本に(財)北九州市学校給食協会及び(公財)福岡県学校給食会を通して調達しています。
主食(米飯・パン)と牛乳は、福岡県学校給食会が供給元です。
米飯は県産米である夢つくしが使用されています。パンは外国産小麦(一部は県内産小麦)が使用されており、牛乳については、県内産が使用されています。
詳しくは、福岡県学校給食会のホームページをご覧ください。
http://www.fukukyuu.or.jp/busshikyokyu/s_busshi.htm副食の材料(青果・食肉・加工食品)は(財)北九州市学校給食協会を通して調達しています。
青果の使用品目・産地等の詳細は、北九州市学校給食協会のホームページにおいて、以前から公表してきており、使用した実績についても公表しています。
詳しくは、北九州市学校給食協会のホームページをご覧ください。
なお、北海道産を除けば、ほぼ九州産や地元に近いところのもので賄えています。
http://k-kyushoku.jp/食肉(牛肉・豚肉・鶏肉)については、九州・山口産を使用することとしています。(牛肉については、個体識別番号による産地、肥育地、と畜地の確認も行っています。)
鶏卵については、九州産を使用することとしています。加工食品については、事業者に対して、原材料の産地や加工地を確認する等しています。
なお、保護者からの具体的な問い合わせがあれば、以上について説明させていただいており、教育委員会の取り組みについてご理解いただいていると考えています。
このように、教育委員会としては、給食の安全性は確保されていると考えており、食育の観点からも他の児童と同じ給食を食べていただきたいところですが、どうしてもご納得いただけない場合は、お弁当の持参も可能であると考えています。
教育委員会学務部学校保健課
TEL 093-582-2381
FAX 093-581-5920
○関連記事:
・北九州市内の市立小学校の学校給食で6/20(月)に茨城県産のナンを使用
・北九州市の学校給食は放射能汚染の危険を回避できるか?(6/27(月):教育委員会学校保健課から返信メール)
・北九州市立光貞小学校学校長廣木雄司様/担任教諭様:学校給食における放射能対策に懸念があるため子供たち2人の登校を止めます
・北九州市立光貞小学校学校長廣木雄司様/担任教諭様:子供たちの健康と生命を守ることに全力を集中してください
・北九州市立光貞小学校学校長廣木雄司様:個別の相談や交渉は不要です
・北九州の給食にご納得がいただけないんだったら子供の登校と言う事を考えれば余所の地域の小学校に通うということは選択肢に入りませんか(北九州市立光貞小学校学校長廣木雄司様)
・北九州市教育委員会様:学校給食における放射能対策に懸念があるため子供たちを出席させることができません/北九州市教育委員会から出席督促書2通(2012年02月17日付け)
○学校教育法(抜粋):
第17条 保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子が、満12歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満15歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。○学校教育法施行令(抜粋):2 保護者は、子が小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。
3 前2項の義務の履行の督促その他これらの義務の履行に関し必要な事項は、政令で定める。
第18条 前条第1項又は第2項の規定によつて、保護者が就学させなければならない子(以下それぞれ「学齢児童」又は「学齢生徒」という。)で、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定めるところにより、同条第1項又は第2項の義務を猶予又は免除することができる。
※学校教育法(houko.com)
第4節 督促等○参考:(校長の義務)
第19条 小学校、中学校、中等教育学校及び特別支援学校の校長は、常に、その学校に在学する学齢児童又は学齢生徒の出席状況を明らかにしておかなければならない。第20条 小学校、中学校、中等教育学校及び特別支援学校の校長は、当該学校に在学する学齢児童又は学齢生徒が、休業日を除き引き続き7日間出席せず、その他その出席状況が良好でない場合において、その出席させないことについて保護者に正当な事由がないと認められるときは、速やかに、その旨を当該学齢児童又は学齢生徒の住所の存する市町村の教育委員会に通知しなければならない。
(教育委員会の行う出席の督促等)
第21条 市町村の教育委員会は、前条の通知を受けたときその他当該市町村に住所を有する学齢児童又は学齢生徒の保護者が法第17条第1項又は第2項に規定する義務を怠つていると認められるときは、その保護者に対して、当該学齢児童又は学齢生徒の出席を督促しなければならない。※学校教育法施行令(houko.com)
・市長への手紙 - 北九州市
・公益財団法人 福岡県学校給食会 主食となる物資(魚拓)
・財団法人 北九州市学校給食協会(魚拓>)
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Comments
世間の目を気にせず子供を守ろうとする姿勢をこころから応援します。
私も娘にお弁当を持参させていますが、親子で苦しい気持ちになることもあります。
学校を休ませて、自宅で学習させることの苦労はどれほどかと思いますが、親さえしっかりしていればできるのですね。
私もこの問題をもっと良く考えてみます。
勇気をいただいています。
Posted by: 2児ママ | Mar 16, 2012 02:33 PM
教育委員会には貴方の理想は高尚すぎて理解できないのではないでしょうか。おそらく彼らは「危険である」という証明がない限りは何のリアクションも示さないでしょう。ほとんどの親御さんに北九州市教育委員会の対応に納得してもらっているという自信があるでしょうしね。
可能性では動か(け?)ない。水俣病や肝炎を経験しても行政は変わりようがないのでしょうか・・・
Posted by: たけし | Mar 17, 2012 12:25 AM
2児ママ 様
>私も娘にお弁当を持参させていますが、親子で苦しい気持ちになることもあります。
その苦しみの原因は説明責任を押しつけられていることにあります。
行政や学校は本来ならば職務として負うべき放射能による内部被曝に関する説明責任を怠っています。怠るどころか意図的に(積極的に)問題の隠蔽を図っています。説明責任やその重要性を曖昧にすればするほど、「親子」が受ける苦しみは大きくなります。
説明責任の重要性は病院で治療を受ける場合をイメージすると理解しやすいと思います。医師が診断内容や治療方針などを患者に全く説明せず黙々と治療(検査や注射や手術など)を続けるような状況を考えてみて下さい。説明責任は大変重要だと思います。
Posted by: 中村友一 | Mar 17, 2012 06:43 AM
たけし 様
>教育委員会には貴方の理想は高尚すぎて理解できないのではないでしょうか。
子供の健康や生命をどう守るかという事は人間としての基本的な話です。生物的本能と言うべきかもしれない。決して高尚な理想などではない話です。組織が病んでいるために対応できないだけです。彼らは良く理解しています。確信犯です。
>可能性では動か(け?)ない。
人が死んで、因果関係が明らかになり、法律ができて、やっと動く(動ける)ようになります。良くも悪くもそれがお役所仕事です。
Posted by: 中村友一 | Mar 17, 2012 06:55 AM