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Feb 11, 2012

原子力教育支援情報提供サイト「あとみん」(文部科学省委託事業→制作:財団法人日本原子力文化振興財団)が2012年3月31日で閉鎖

「あとみん」魚拓)は財団法人日本原子力文化振興財団が文部科学省委託事業として制作している原子力教育支援情報提供サイトだ。同財団の「事業紹介」(魚拓)に下記のような説明文が掲載されている:

あとみん
原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト「あとみん」の運営を行っています。学校を対象とした原子力やエネルギーに関する教育支援の情報や映像、写真、図表、用語集などのコンテンツを掲載しています。
冒頭の画像は「あとみん」トップページの画面キャプチャだ。

「あとみん」の最大の特徴は、原子力の必要性・有用性・安全性を宣伝しているにある。これは全てのページとコンテンツの隅々まで徹底されている。いったい委託金額はいくらだったのだろうか。

この「あとみん」トップページ下部にある昨年(2011年)2/6付けの「お知らせ」に下記の閉鎖予告文が掲載されている:

長年にわたり、インターネットを活用して小・中・高等学校の先生や児童生徒の皆様に向けて放射線等に関する教育への取組を支援を行ってまいりました Webサイト「あとみん」(文部科学省委託事業)は、文部科学省発行の小・中・高等学校向けの放射線副読本の発行により役割を終え、誠に勝手ながら平成24年3月31日をもって閉鎖させていただく運びとなりました。 Webサイト「あとみん」を長い間ご利用いただきまして誠にありがとうございました。
出典:
平成23年度「あとみん(原子力教育支援情報提供サイト)」評価アンケート魚拓

ということで、このサイトはあと1ヶ月半ほどで閉鎖される。資料は今のうちに保全しておいた方がいいだろう。特にビデオと図表その価値が高いと思う。

いくつか興味深いものを紹介する:

・「地球温暖化」(平成19年度制作)というビデオの最後では「二酸化炭素の排出量を減らすことが大切です」というナレーションとともに事故前(311以前)の福島第1原発の写真が用いられている。下図はその「字幕あり」版より画面キャプチャしたもの:

・ビデオの最後は必ず「この映像は文部科学省の委託により財団法人日本原子力文化振興財団が制作いたしました。」というキャプションが出て来る。下図はその画面キャプチャ:

ビデオも図表も所々「欠番」がある。

図表の欠番は2件(50、52)だ。これについてはリンクが削除されているただけだった。URLを推測してアクセスしてみたところ下記のコンテンツを表示させることができた:

50-原子力発電の五重のかべ魚拓

52-軽水炉の自己抑制性魚拓

これらは原発の安全性をPRするものだ。事故後は都合が悪くなったためリンクだけ慌てて削除したのだろう。

ビデオの欠番は4件(05、09、11、15)だ。これについてはリンクだけでなくファイルも削除されているため、図表と同様の方法で表示させることができなかった。やはり何らかのやばいコンテンツをあとから削除したのだろう。何があったか気になる。

ビデオは全12件×2種類(字幕なし/字幕あり)=合計24件(約828MB)になる。「ダウンロード」ボタンが付いているので簡単にダウンロードできる。

図表は全84件×2種類(jpg/pdf)=合計168件(約62MB)になる。画像をクリックするとPDFが、キャプションをックリックするとJPGが、それぞれダウンロードできる。

下記にビデオと図表の説明テキストのみ抜粋しておく(改行位置など一部を独自に整理編集している):

(抜粋ここから)

映像資料 原子力、放射線、エネルギーと環境のことが学べるあとみん
P1魚拓
P2魚拓
P3魚拓

映像資料
身近な環境を取り上げながら、放射線等について学習できる映像コンテンツを用意しています。

16-世界の中の日本
(平成22年度制作)
今、世界中でさまざまな問題が起きています。
その一つがエネルギー・環境問題です。問題解決のために、日本や世界ではどのような努力がなされているのか見てみましょう。
対象 小学生 教科 社会
単元 【小学校社会】→6年→(3)世界の中の日本の役割

14-未来のエネルギーの研究
(平成22年度制作)
私たちの豊かな生活の代償ともいえる地球温暖化。その主な原因といわれる温室効果ガスの排出を減らすため、日本では新しい技術の研究や開発に取り組んでいます。どのような新技術か見てみましょう。
対象 中学生 教科 技術家庭
単元 【中学校技術家庭】→技術分野→A材料と加工に関する技術→(1)生活や産業の中で利用されている技術

13-原子力の利用とごみ(放射性廃棄物)
(平成22年度制作)
日本では電気の約30%は原子力発電でつくられています。でも原子力施設からは放射性廃棄物という危険なごみが出ます。それはなぜなのか、放射性廃棄物はどのように処理・処分されているのか見てみましょう。
対象 中学生 教科 社会
単元 【中学校社会】→公民的分野→(4)私たちと国際社会の諸課題→ア世界平和と人類の福祉の増大

12-電気を大切に使うために
(平成22年度制作)
生活に欠かせない電気。
エネルギー資源の少ない日本では、いろいろな工夫をして効率よく電気を作っています。どのように工夫しているのか見てみましょう。
対象 小学生 教科 社会
単元 【小学校社会】→3・4年→(3)飲料水、電気、ガスの確保や廃棄物の処理

10-エネルギー資源はどこから?
(平成21年度制作)
暮らしになくてはならないエネルギー。
このエネルギーの資源は、どこから日本へ届くのでしょうか?
対象 小学校 教科 社会
単元 【小学校社会】3・4年> (3)飲料水、電気、ガスの確保や廃棄物の処理

08-暮らしの中の放射線
(平成21年度制作)
放射線は、私たちの暮らしの中の様々な分野で使われています。
医療、工業、農業、考古学の分野で放射線が利用されている様子を見てみましょう。
≪キーワード≫
エックス線の発見、医療への放射線利用、工業への放射線利用、農業への放射線利用、考古学への放射線利用
対象 中学校 教科 理科
単元 【中学校理科】第1分野> (7)科学技術と人間-エネルギー

06-身近にある自然放射線を測ってみよう!
(平成20年度制作)
私たちは、毎日の生活の中で自然界の放射線を受けています。
放射線測定器「はかるくん」をつかって、いろいろな場所で放射線を測ってみましょう。
≪キーワード≫
放射線は五感で感じることが出来ない、自然放射線の量は場所によって違う、放射線は測定器で測定できる、色々な場所での測定結果
視覚障害の方向けに「効果音付」を用意しています。
対象 中学校・特別支援学校 教科 理科
単元 【中学校理科】第1分野> (7)科学技術と人間> ア/エネルギー> (イ)エネルギー資源

07-電気をつくる。火力・水力・原子力
(平成20年度制作)
私たちの暮らしになくてはならない電気。
その「電気」はどのようにして作られているのでしょうか。
さまざまな発電方法について、改めて考えてみましょう。
対象 中学校 教科 理科
単元 【中学校理科】第1分野> (7)科学技術と人間-ア/エネルギー> (イ)エネルギー資源

01-電気を作る~発電の種類としくみ
(平成19年度制作)
電気ってなぁに?
電気ってどうやってつくられているの?
毎日、当たり前に使っている電気のナゾをのぞいてみます。
対象 小学校 教科 理科
単元 【小学校理科】4年> A/物質・エネルギー> (3)電気の働き
【小学校理科】5年> A/物質・エネルギー> (3)電流の働き
【小学校理科】6年> A/物質・エネルギー> (4)電気の利用

02-地球温暖化
(平成19年度制作)
私たちの暮らしになくてはならない電気。
その「電気」はどのようにして作られているのでしょうか。
さまざまな発電方法について、改めて考えてみましょう。
対象 中学校 教科 理科
単元 【中学校理科】第2分野> (7)自然と人間> ア/生物と環境

03-原子力発電のしくみとこれからの課題
(平成19年度制作)
日本の発電量のうち30%以上を占める原子力発電。
その仕組みと課題を学んでみよう。
対象 高等学校 教科 理科
単元 【高校理科】地理B> (2)現代世界の系統地理的考察> 資源,産業

04-身の回りの放射線
(平成19年度制作)
いろいろな分野で使われている放射線。
こんなところでも活躍しています。
≪キーワード≫
放射線とは?、放射線の種類と透過力、霧箱、放射線はどこにでもある(人も放射線を出している)、放射線利用の概要、日常生活と放射線
対象 高等学校 教科 理科
単元 【高等学校理科】物理基礎>(2)様々な物理現象とエネルギーの利用

図表 原子力、放射線、エネルギーと環境のことが学べるあとみん
P1魚拓
P2魚拓

図表
学習資料作成に活用できるさまざまな素材を用意!
図表は全部で84点あります。
印刷にはPDF(図表をクリック)、授業等への活用・加工にはJPEG(タイトルをクリック)をご利用下さい。

1 世界のエネルギー・資源
2 日本のエネルギー・資源
3 発電のしくみ
4 原子力発電
5 放射線と放射能
6 放射性廃棄物
7 新エネルギー
8 環境問題

01 人類とエネルギー利用のかかわり
02 世界の人口予測
03 世界の人口
04 世界のエネルギー消費推移と見通し(地域別)
05 世界のエネルギー消費推移と見通し(資源別)
06 世界の一人あたりのエネルギー消費量
07 主な国のエネルギー自給率
08 主な国の1人あたりの1時間の平均電力使用量
09 石油の確認可採埋蔵量
10 石炭の確認可採埋蔵量
11 天然ガスの確認可採埋蔵量
12 ウランの確認可採埋蔵量
13 エネルギー資源の可採年数
14 主要国の一次エネルギー構成
15 フランスを中心とした電力の輸出入
16 日本の一次エネルギー供給の移り変わり
17 一次エネルギー供給の推移と見通し
18 一次エネルギー供給に占める電力の割合
19 発電電力量の移り変わり
20 発電量とその内訳
21 電源のベストミックス
22 石油の輸入先
23 石炭の輸入先
24 天然ガスの輸入先
25 ウランの輸入先
26 1世帯あたりの電気の使用量
27 主な電気製品の普及率
28 日本の最終エネルギー消費とGDPの推移
29 火力発電のしくみ
30 水力発電のしくみ
31 原子力発電のしくみ
32 太陽光発電のしくみ
33 風力発電のしくみ
34 地熱発電のしくみ
35 核分裂のしくみ
36 原子炉のしくみ
37 ウランの濃縮
38 日本の原子力発電所
39 ウラン燃料とMOX燃料
40 核燃料サイクルの流れ
41 再処理の主な工程
42 世界の原子力発電の開発状況
43 主要国の原子力発電設備
44 原子力発電所の世界的広がり
45 エネルギー源の比較(原子力発電と火力発電)
46 原子力発電と太陽光、風力発電の比較例(敷地面積)
47 沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉の違い
48 火力発電と原子力発電の違い
49 原子力発電と原子爆弾の違い
51 オフサイトセンター設置場所
53 国際原子力事象評価尺度(INES)
54 軽水炉におけるプルトニウムの核分裂寄与割合
55 放射線と放射能
56 放射線・放射能を表す単位
57 放射線の種類と特徴
58 放射線の性質
59 放射線の利用
60 放射能の減り方(放射性物質の半減期)
61 全国の自然からの放射線量
62 電磁波の種類と放射線
63 元素の周期表
64 日本の放射線利用経済規模
65 日常生活と放射線
66 放射性廃棄物
67 低レベル放射性廃棄物
68 高レベル放射性廃棄物
69 高レベル放射性廃棄物の処分の方法
70 放射性廃棄物の種類と処理・処分方法
71 世界の風力発電導入の割合
72 世界の太陽光発電導入の割合
73 太陽光発電の導入量とシステム価格、発電コストの推移
74 電源別の二酸化炭素排出量
75 二酸化炭素排出量の抑制効果
76 世界の二酸化炭素排出量の見通し
77 化石燃料の二酸化炭素排出量等の比較
78 温室効果ガスの地球温暖化への寄与度
79 平均気温の変化
80 京都議定書の要点
81 世界の二酸化炭素排出量-国別排出割合-
82 家庭からの二酸化炭素排出量-用途別内訳-
83 化石燃料等からのCO2排出量と大気中のCO2濃度の変化
84 地球温暖化問題に対する取り組み

(抜粋ここまで)

下記は『「あとみん」情報』としてトップページにFLASHで埋め込まれていたスクロールテキスト:
1 : 「あとみん」は、放射線等のことが学べるサイトです。小・中・高等学校の授業で活用できる教材や情報などが新学習指導要領や教科書名から検索できます
2 : 放射線等のことを学びたい児童・生徒の皆さんは、「あとみんらんど」をご覧下さい

閉鎖までに他にめぼしいものがあったら追記したい。

※2012.02.13(月)03:53追記:
冒頭に記した「お知らせ」の掲載日付に「昨年(2011年)」を付け加えた。

※2012.02.13(月)05:15追記:
「解説書」のうち「原子力」の中の「核査察」の見出しは下記のようになっているが、ここでは「2」が欠番になっている:

1.はじめに
3.国際的枠組みとしての核不拡散条約(NPT)
4.核査察(国際保障措置)の実際
5.日本での実施
6.核不拡散条約を守らない国への対応
7.核不拡散対策の将来と原子力の平和利用
出典:
解説書 原子力、放射線、エネルギーと環境のことが学べるあとみん魚拓
原子力-核査察 解説書 原子力、放射線、エネルギーと環境のことが学べるあとみん魚拓

この欠番についてURLを推測してアクセスしてみたところ「2.核不拡散の重要性」のPDFが出てきた。見出しを列挙すると下記のようになっている:

・アメリカの核独占時代から多極化へ
・冷戦時代と核兵器の拡散
・新たな核拡散の脅威
出典:
2.核不拡散の重要性(PDF、80KB)(魚拓

この内容のどれか(もしくは全部)を隠蔽しようとしたのだろうか。

2012.04.03(火)13:30追記:
予告通りサイトが閉鎖されている。全くアクセスできない。pingにも反応が無い。アクセス解析を見ると今月に入って検索からこの記事にやって来る方がちらほらいる。サイトが見えず困っているのだろうか。

当該ドメインの今日現在のwhois情報は下記の通りとなっている:

(whois情報ここから)

Domain Information: [ドメイン情報]
a. [ドメイン名] ATOMIN.GO.JP
e. [そしきめい] もんぶかがくしょうけんきゅうかいはつきょくかいはつきかくか
りっちちいきたいさくしつ
f. [組織名] 文部科学省研究開発局開発企画課立地地域対策室
g. [Organization] Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology
k. [組織種別] 政府機関
l. [Organization Type] government
m. [登録担当者] TS19365JP
n. [技術連絡担当者] KK19264JP
p. [ネームサーバ] ns1.atomin.go.jp
p. [ネームサーバ] ns120.ecc-idc.jp
s. [署名鍵]
[状態] Connected (2012/05/31)
[登録年月日] 2008/05/07
[接続年月日] 2008/05/31
[最終更新] 2011/06/01 01:47:16 (JST)

(whois情報ここまで)

「文部科学省研究開発局開発企画課立地地域対策室」は現在は「文部科学省研究開発局原子力課立地地域対策室」となっている。
○出典:
文部科学省組織の改編について(平成22年4月1日・文部科学省)魚拓

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