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Jan 07, 2012

【マンガ】原発問題(と放射能対策)を医療に当てはめてみた

瓦礫受け入れに関して、学者との正常なコミュニケーションは回復可能か」を読んで色々と考えているうちに以下に示す「お話」を思いついた。原発問題(と放射能対策)を医療に当てはめてみたものだ。オリジナルのマンガも描き起こしている。

【「お話」ここから】

あなたは病気で入院しました。医師の治療を待っている患者です。

医師は「最新の医療器具です」「安全です」と言って小さくて黄色い謎の医療器具を紹介した。


そして、十分な説明も無いまま、気が付くと全身に54個も装着されていた。その医療器具からは毒が漏れ出している。

ある日、医療器具のうち4個が爆発して毒を撒き散らした。あなたは爆発した箇所に重傷を負った。

あなたはすぐに「この医療器具を取り外して下さい」「毒を取り除いてください」と医師に求めた。しかし、医師はその正反対のことを始めた。「医療器具を取り外すと生きていけない」と言ってさらに治療器具を装着し始めた。

せめて毒を取り除いて欲しいと思ったが、医師は「毒の量は少ないので問題ない」「一箇所だけ痛むと良くないので全身に散らして痛みを分けよう」と言って毒をわざわざ体の隅々にばら撒いている。

この医者は他の患者にも同じ治療器具をどんどん取り付けるそうだ。

【「お話」ここまで】

○解説:
医療では「説明と同意」(インフォームド・コンセント)が重視されている。医者が説明責任を果たし、患者はその説明を元にどのような治療を受けるか自己決定を行う、というシステムだ。他の医師からセカンドオピニオンを取ったり、他の医師に乗り換えたりすることもできる。

今のところ原発問題(と放射能対策)で同じシステムを適用できる見込は無いと思うが、問題を考えるヒントにはなるかもしれない、という淡い期待を持ちつつ書いて(描いて)見た。

○参考:
瓦礫受け入れに関して、学者との正常なコミュニケーションは回復可能か - Togetter
インフォームド・コンセント - Wikipedia

○2012.02.13(月)11:03追記:
下記の関れ記事を掲載した:
冷温停止状態(想像図)/state of cold shutdown(imaginary picture)

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