病気・事故で死ぬ人はたくさんいるから、「刃物男」は気にしなくて良い、と言えるか?(押川正毅)
東京大学物性研究所・押川正毅氏による流山市長との懇談用資料が公開されている。放射能対策に関する有益な主張が盛り込まれており、北九州市でも是非参考にして欲しい資料だ。以下、一部抜粋しながら紹介しよう。:
・いま行政や社会がまず取り組むべき課題は健康リスクに関する科学論争ではなく、ICRP勧告や日本の法令に基いて、社会全体の放射線防護を行うこと(P10)これは政府マスコミや「専門家」の多くに言える事だろう。健康被害への懸念を「科学論争」で潰しているような気がする。
・病気・事故で死ぬ人はたくさんいるから、「刃物男」は気にしなくて良い、と言えるか?(P15)これも311以降は盛んに宣伝されている。全く無関係な他のリスクと意図的に混同させようとする論調(黄砂に含まれるセシウムうんたら、タバコと比べて云々)が多過ぎる。
・東葛ではその辺りの至る所が放射線管理区域に相当(P22)児玉龍彦氏は国会で自らの除染作業を「違法」と言い切った。視点が異なるので単純な比較はできないが、押川氏の言う「脱法」は穏やかな表現だと感じる。放射線発散処罰法を適用し「違法」(テロとみなす)とすることも検討すべきだと思う。
・現在は大規模な脱法状態(P23)
○出典:
2011.12.20 流山市長との懇談用資料
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○関連記事:
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Comments
私の親や私の上司は私が本当に困った時いつも私を助けてくれた
自分もそんな人間に成ろうと努力して来た
原発の問題は今を生きる沢山の若い人達を苦しめている
私は来年で36歳に成るが何もできない自分が恥ずかしい
タバコと放射性物質の発ガン性リスクは同じかもしれない
だがその有害なタバコと同位な物を幼い子供に吸わせるのか?
私は愛煙家だが子供の前で一度もタバコを吸った事は無い
放射性物質はタバコの煙より粒子が細かい
その為どんなフィルターも防毒マスクすら通過する
遠心分離ですら一部の重い核種しか回収できない
液体に溶かし吸着濾過しても全ての核種を吸着できない
もし濃縮に成功したとしても近付いただけで死んでしまう大量のゴミを何処に捨てるのかが問題になる
自然拡散を待つ以外に無いが拡散段階で致死量を上回れば多くが死ぬ
年齢が低いほど高リスクな死のルーレットでしか無い
効果的な濾過装置も無く捨てる所も無い
危険性も空論では無く十分経験実証された
なぜ原発を廃止しないのか分からない
多くが死ぬまで危険性を認知しないつもりなのだろうか?
立派な計画を立てても正確なデータを取っても誰一人として理解も実行もしないのならそんな書類は落書きと同じ
無気力無関心無感動に失う物や得る物の価値など分からない
感情は判断を鈍らせ誤る方向に向かうが新たな行動を起こす起点は感情に有る
人の為に物を作るので有って金は人生の目的を達成する為の道具で有りそれ自体を目的にするのは本末転倒
故にこの度色々と考えさせられてしまった訳です
これらの過程を経て今は冷静とも感情的とも違う限りなく無に動くと言う新たな方向性を身につけようと考えています
長く成りましたが神様は存在しませんが運命は存在します
人間の力は小さい
集まっても個々の力が倍にはならない
直列ではなく並列です
不可能が可能には成らない
流され受け入れるより他有りません
エンジニアの端くれとして一番認めたく無いのですが今回ばかりはお手上げです
Posted by: gicom56 | Dec 30, 2011 09:03 AM
発癌の原因は放射線以外にもいくつかありますが、その中の比較的に大きな要因として「ストレス」が挙げられます。
同じ発癌物質を餌として与えたラットで、ストレスを与えたグループの発癌率は5倍にもなったとか。
これを考慮するに同じ放射線量でも「今の放射線量で健康被害は無い」と感じているよりも、「放射線が危ない、怖い」とストレス感じ続けるほうが、発癌性は高くなる…とも言えるわけです。
Posted by: えまのん | Jan 04, 2012 01:41 PM
gicom56 さん
>エンジニアの端くれとして一番認めたく無いのですが今回ばかりはお手上げです
全面解決を図ると「お手上げ」ですがダメージコントロール(被害局限)のためにできることが何かあるはずです。小さな事でも良いのであきらめず地道に継続すべきだと思います。
Posted by: 中村友一 | Jan 08, 2012 09:25 AM
えまのん さん
>同じ発癌物質を餌として与えたラットで、ストレスを与えたグループの発癌率は5倍にもなったとか。
実験の詳細をご存知でしたらご教授下さい。まさか春山茂雄氏の「脳内革命」が出典ではないですよね?
>これを考慮するに同じ放射線量でも「今の放射線量で健康被害は無い」と感じているよりも、「放射線が危ない、怖い」とストレス感じ続けるほうが、発癌性は高くなる…とも言えるわけです。
そうなる可能性も、そうならない可能性も、どちらもあります。
どのようなストレスをどの程度かけたら発癌率が何パーセント増加する、といった詳細が示され無ければ議論できません。
Posted by: 中村友一 | Jan 08, 2012 09:36 AM
>どのようなストレスをどの程度かけたら発癌率が何パーセント増加する、といった詳細が示され無ければ議論できません。
・・・となるとどのような放射線によりどの程度被爆したら発癌率が何パーセント増加する、といった詳細が示され無ければ議論できないということでしょうか?
食品安全委員会の数々の論文を整理した上での結論「生涯被爆線量100mSV以下では明確な差が認められない」というのが一番の根拠ですかね?
まあ議論や根拠だけじゃなくて放射線もストレスも分からない所は感情論ありってことでラットのストレステスト議論も想像して楽しめばいいんじゃないですかね。
蛇足ですが自分は生物系なのでラットへの水没や電流のストレスで発癌性がアップしたという論文を見たことがあります。でもこれが人の精神的ストレスにも適用されるかは誰にもわからないでしょうね。
人の心理ストレスの発癌への影響は、心理テスト等で悲観的な人と楽観的な人で発癌率を比較して想像して楽しむくらいしかできない気がします。そして低レベル放射線の影響も今の所想像するしかないですよね。想像力が暴走する人は「低レベルなら体にいい」と少しの実験で断言しちゃったりしてますしねぇ。
Posted by: ひっきー | Jan 11, 2012 12:58 AM
ひっきー 様
>人の心理ストレスの発癌への影響は、心理テスト等で悲観的な人と楽観的な人で発癌率を比較して想像して楽しむくらいしかできない気がします。
どのような実験でどうなったのか詳細を見た事はありませんが、「放射線の影響は、実はニコニコ笑っている人には来ません」(山下俊一氏)という主張もあるようです:
http://www.youtube.com/watch?v=PuwFrNEgDTg
専門家の皆様は何らかの検討を行っているのかもしれません。
Posted by: 中村友一 | Jan 11, 2012 05:57 AM