福島県内の下水処理施設で発生した放射能汚染汚泥のフレコンパックによる処理手順
NHK報道のビデオ画面キャプチャをもとに、福島県内の下水処理施設におけるフレコンパックによる放射能汚染汚泥の処理手順を分析し推定した。
○福島県内の下水処理施設で発生した放射能汚染汚泥のフレコンパックによる処理手順(画像はNHK報道ビデオの画面キャプチャ):
(0)下水処理施設に隣接した広大な敷地の土壌を(汚水が浸潤しないよう)固めて造成し仮設テントを設置した一時処理施設を設営する。
(1)放射能汚染汚泥を4トンのトラックに平積みで搬入し、一時処理施設・仮設テント内の地面に直接投下する。
松葉ぼうきを持った地上作業員1名が手を挙げながらトラックの投下作業を誘導する。
(2)地面に投下された汚泥を小型のパワーショベルでフレコンパックに詰め込む。鉄パイプで組んだフレームでフレコンパックを支持しているが、同時に地上作業員2名がフレコンパックの両側(小型パワーショベル回転半径内)に立ち口を手で支持している(汚泥が入りやすいようにしている)。
(3)フレコンパックに詰め込んだ汚泥に柄杓で石灰(消臭用)を振り掛ける(上記作業員2名の手作業)。
(4)汚泥を詰め込んだフレコンパックはフォークリフトで一時保管用仮設テントに搬入し、4トンのハイジャッキクレーン付きトラックのクレーンを用いて2段の鉄製フレーム組に積み上げる。作業員は地上1名、フレーム上2名、フォークリフト運転1名。
※作業員の装備:ヘルメット、手袋、簡易なマスク、長靴、作業着は長袖長ズボン、タオルを後頭部から首筋にかけて巻いたり垂らしたりしている。
※仮設テント(フレコンパック詰め込み作業用、フレコンパック一時保管用)はレンタルとのことだ。
※作業員:
・1名:4トントラック運転(下水処理施設から一時保管施設への搬入)
・1名:トラックから地上投下する際の地上誘導
・1名:小型パワーショベル運転(フレコンパック詰め込み)
・2名:フレコンパック詰め込み補助
・1名:フォークリフト運転
・3名:保管用フレーム積み上げ
◎9名:合計
以上、あくまで推定なので実際の手順と異なっている可能性がある。
○関連記事:
・環境省の検討委員会がセシウム1キロ当たり10万ベクレルの放射能汚染焼却灰は実質無管理の方針を決定
上記関連記事では当該NHK報道の「関連ニュース」を取り上げているが、それによると福島県内の下水処理施設で発生した焼却前の汚泥そのものの処理について、「8000ベクレルを超える汚泥そのものについては、明確な処理方法を示せておらず、引き続き検討することにしています。」となっているので、このフレコンパックによる処理は福島県の独自判断ということだろう。
この処理方法には下記のような多くの問題点がある。
・核廃棄物処理作業であるにもかかわらず設備や作業員の被曝対策などが簡易過ぎる。
・近隣住民が「本当に耐えられないくらいの臭いがするんです」「夏なんかひどかったよ本当、うちの窓なんか開けておけない」(いずれも当該報道のビデオ画面のキャプションより書き起こし)と苦情を出すほどの悪臭が発生している。
・長期的な処理費用の目処が立っておらず地方自治体が負担している。
福島県はいつまで同様の処理を続けることができるのだろうか。
以下、当該報道(画像は同報道ビデオの画面キャプチャ):
(報道ここから)
汚泥保管に9億7800万円余
12月1日 8時24分
福島県内の下水処理施設では、処分することができない放射性物質を含んだ汚泥を敷地内に保管していますが、この保管のためにかかっている費用は、少なくとも合わせて9億7800万円余りに上っていることがNHKの調査で分かりました。
福島県内の下水処理施設から出る汚泥は、放射性物質が混じっているため、最終的な処分ができず、施設の敷地内に保管せざるをえない状態が続いています。こうしたなか、NHKが現在稼働している福島県内の52の下水処理施設を調査したところ、保管されている汚泥の量は、合わせて1万9800トン余りに上っていることが分かりました。それぞれの施設では、放射性物質が漏れ出さないよう、大型のテントを設置したり、専用の保管場所を造成したりしていて、そのための費用は少なくとも合わせて9億7800万円余りに上っていました。福島県の担当者は「汚泥を保管する費用まで自治体が負担するのは財政上厳しい。東京電力には速やかに全額を補償するよう求めていきたい」と話しています。
汚泥保管に9億7800万円余 NHKニュース(魚拓)
(報道ここまで)
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