« 福岡県内各地の空間放射線量の測定結果/2011年7月1日(金)福岡県発表 | Main | 線量計というより単なる放射線警報装置/JAXA(宇宙航空研究開発機構)が家庭向け線量計を2万円で発売 »

Aug 01, 2011

この検出限界精度では不十分/富士電機株式会社が梱包された食品を連続的に測定可能な『食品放射能測定システム』を発売

上図は本日(8/1)付けで富士電機株式会社が発売すると発表した製品で、梱包された食品を連続的に測定可能な『食品放射能測定システム』の写真だ(同社プレスリリースより)。価格は税別430万円。

葉菜類(10kg)の場合に約12秒の測定で検出限界約250Bq/kg政府の暫定基準値を前提に製品化されている点で全く評価できない汚染食品の流通を後押しするためのスペックとしか思えない

精密測定もできるようだが、肉類(11.7kg)の場合に150秒(2分半)の測定で検出限界約50Bq/kgとなっており、これでも全く不十分だ。

オプションで別料金を払えばさらに1ケタ精度が上がります、という製品でなければ最終消費者のニーズをつかむことはできないし、食品安全の向上に貢献することもできない。

しかし、この製品は政府の暫定基準のお墨付きを背景に相当な台数が普及するだろう。この製品を企画した富士電機に責任があるとは言えないが、これでは食品の安心・安全は得られない。


以下、富士電機のプレスリリース(配置等を一部こちらで編集):

(プレスリリースここから)

2011年8月1日
富士電機株式会社~梱包された食品を連続的に測定可能~

 『食品放射能測定システム』の発売について 富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、生産地からの集配・配送を行う食流通分野向けに、連続的に放射能を測定することができる『食品放射能測定システム』を発売致します。
  「食」に対する安全性への関心が高まる中で、大量の食品を確実に検査できる放射能量測定装置が求められています。現在、食品の放射能量測定は、対象となる食物の細部まで切り取り、サーベイメータで内部の放射能量を測定する前処理※1が必要なため、測定には多大な労力と時間がかかっています。また、抜き取り検査が一般的なため、全数の放射線量測定は、行われていませんでした。
 今回発売する『食品放射能測定システム』は、高感度ガンマ線検出器を採用し、食品をダンボールなどの梱包状態のまま、ベルトコンベアに載せ、連続的かつ簡単に測定することができます。
 放射性よう素及びセシウムについてもサーベイメータなどの検査方法に比べ、約12秒と短時間で設定した基準値以下であるか判別します。
 本製品は、農作物の集配や配送など大量の食品を取り扱う分野に適しており、生産地の集配所や配送センターなどに販売する予定です。

※1 【ご参考】 厚生労働省 緊急時における食品の放射能測定マニュアル(※外部リンクPDF、398KB)

1.特長

(1) ベルトコンベアに載せるだけで、簡単に連続測定
(2) 簡単に放射性よう素、セシウムの基準値以下を判別
(3) 測定結果の印字が可能

2.主な用途

穀類、野菜類、肉、その他食品中の放射能測定

3.概略仕様

検出器NaI(Tℓ)シンチレータ
検出限界(※1)134Cs+137Cs
肉類(11.7kg)約140Bq/kg(精密測定時 約50Bq/kg)
米類(30kg)約90Bq/kg(精密測定時 約35Bq/kg)
葉菜類(10kg)約250Bq/kg(精密測定時 約100Bq/kg)
測定時間全数測定12秒/精密測定120秒(※2)
測定可能サイズ長さ100cm×幅50cm×高さ50cm以下
外形寸法本体 W360mm×D865mm×H1350mm(コンベア除く)
質量本体 約150kg(コンベア除く)
※1: 検出限界はBGおよび測定物(箱等)の形状により変動します。
※2:肉類の精密測定時間は、150秒となります。

4.発売時期

2011年8月下旬より注文受付(9月初旬より順次出荷予定)

5.販売価格

4,300,000円(税別)~

6.目標販売台数
2011年度 500台

【お客様問合せ先】
富士電機株式会社
エネルギー事業本部 原子力・放射線事業部
放射線システム統括部 営業技術部
tel:042-585-6024

以上

http://www.fujielectric.co.jp/about/news/11080102/index.html

(プレスリリースここまで)

|

« 福岡県内各地の空間放射線量の測定結果/2011年7月1日(金)福岡県発表 | Main | 線量計というより単なる放射線警報装置/JAXA(宇宙航空研究開発機構)が家庭向け線量計を2万円で発売 »

放射能対策」カテゴリの記事

Comments

基本コンセプトは
「農作物の集配や配送など大量の食品を取り扱う分野」で早く大量に「合格」のお墨付きを出すためのものなんでしょうね。
もしこれが大量に売れたとして、あとから放射能の被害が明らかになってきていざ基準を上げようというときに、この測定器の償却が済んでいない産業界からは反発が起きそう(=基準を適正にする障害になる)です。つまり後で考えると無駄な投資を生みそうです。
くれぐれも変なスペックの測定器が普及しませんように。

Posted by: 十五夜 | Aug 02, 2011 10:14 PM

十五夜 さん、コメントありがとうございます。

海外市場も考えれば償却については心配ないでしょう。

なお、政府が暫定基準を上げる可能性より下げる可能性の方が高いのではないかと私は危惧しています。

その場合、今回の製品が上位機種となり、さらに精度の悪い普及版が廉価で市場に出回る事になるでしょう。

Posted by: 中村友一 | Aug 02, 2011 10:37 PM

4/1より新しい法令に基準します。
他社ではミンチでしか、図れませんが、富士では、ステーキとかお刺身のまま食べれる全数検査の装置を開発します。現状では、ミンチ以外の食物は検査していないことになります。それじゃつまらいですよね?。富士は全数検査で、優れた装置を開発します。

Posted by: 富士電機 | Mar 31, 2012 12:19 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference この検出限界精度では不十分/富士電機株式会社が梱包された食品を連続的に測定可能な『食品放射能測定システム』を発売:

« 福岡県内各地の空間放射線量の測定結果/2011年7月1日(金)福岡県発表 | Main | 線量計というより単なる放射線警報装置/JAXA(宇宙航空研究開発機構)が家庭向け線量計を2万円で発売 »