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Aug 06, 2011

「セシウム汚染メロン」実はスクープか:茨城県産メロンの放射性セシウム検出は初めて/国産メロンで過去最大値の放射性セシウム(これまでの最大値の5.1倍)

この記事は先日(8/3(水))掲載したセシウム汚染メロンの記事の続報である。また同記事に投稿された「通りすがりのななし」さんのコメントに対する返信でもある。上図は問題のメロンの購入時(6/25(土))の写真。

「通りすがりのななし」さんのコメント
>さすがに気にしすぎでは…なぜならこの程度の微量の放射性物質は、事故前から食べ物に含まれているからです。

「極微量」だろうが、リスクが非常に低かろうが、あらかじめ「放射能に汚染されている」と分かっているメロンであれば、親は子供には与えない。

「事故以前から食べ物に含まれている」からといって、わざわざ新たな被曝を許す訳が無い。むしろ逆で、事故以前から摂取していることが分かったならば、なおさら新たな被曝は減らそうとするのが当然だ。

煙草のリスクに比べれば、とか、飛行機に乗ったら、とか、レントゲン何回分、とか、条件の異なる他の被曝事例を持ちだすことも同様だ。他にどんなリスクを受けていようとも、それは新たな被曝を許容する理由とはならない。

「通りすがりのななし」さんのコメント
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/study_flash.jsp?runmode=3
>ここで調べてみてください。

コメントで示していただいたページ「ようこそ「日本の環境放射能と放射線」へ」(上図はその画面)には様々な放射能汚染の数値が掲載されているが、この中にはメロンについてはどこにも掲載されていない。このページを提示された「通りすがりのななし」さんのコメントの意図を理解できないこともないが、セシウム汚染メロンの記事とは直接関係ないデータばかりで論点がずれるので、ここでは論じない。

しかし同サイトの別ページを探したところ、「食品と放射能」に「果物のページ」があり、そこからメロンを選択して調べる事が出来た(下図はその画面)。

このページでは様々な地域と核種で条件を設定し、個別の数値だけが提示される検索システムになっている(どこを探してもデータを一覧できるページが無い)。できるだけセシウム汚染メロンの記事と近い条件に合わせ「関東」「Cs-137(セシウム137)」について調べたところ、該当条件の試料2件全てで「検出されず」「非検出」であった。当該の画面は下記の通り:
経年変化データ(PDF、103KB)
濃度範囲データ(PDF、107KB)
預託実効線量の計算(PDF、88KB)

すなわち、公表された範囲で過去に茨城県産メロンから放射性セシウムが検出されたことは一度もない

条件を「全国」に広げて調べたところ、全試料8件中5件から検出されており、最大値は0.14 Bq/kg となっていた。当該の画面は下記の通り:
経年変化データ(PDF、108KB)
預託実効線量の計算(PDF、101KB)
※全国にした場合は『「全ての地域」が選択されている場合濃度範囲図は作図できません)』となり「濃度範囲データ」は表示されなかった。

ところで、セシウム汚染メロンの記事で明らかとなった数値は 0.73 Bq/kg だが、これは上記の最大値 0.14 Bq/kg の 5.1 倍であり、公表された範囲で国内産メロンから検出された放射性セシウムの数値としては過去最大となる。

すなわち、セシウム汚染メロンの記事は下記の2点において、実はスクープだったようだ:

●「セシウム汚染メロン」実はスクープか
・公表された範囲で放射性セシウムが検出されたことは過去に一度もない茨城県産メロンから、放射性セシウムが検出されたことを明らかにした
・公表された範囲で過去最大値の放射性セシウムを検出した国内産メロンの存在を明らかにした(これまでの最大値の5.1倍)


参考までに、関東以外に選択できる残りの全3地域(北海道、北陸・甲信越、九州・沖縄)についても同じ条件で調べ、関東も含め下記の通り整理した:

○北海道
・0.0550 Bq/kg:1994年
※全試料数2件、検出数1件

○北陸・甲信越
・0.0580 Bq/kg:1996年
・0.0085 Bq/kg:1994年
※全試料数2件、検出数2件

○関東
※全試料数2件、検出数0件

○九州・沖縄
・0.1400 Bq/kg:1994年 最大値
・0.0740 Bq/kg:1996年
※全試料数2件、検出数2件

◎全国(数値の高い順)
・0.1400 Bq/kg:1994年 九州・沖縄 最大値
・0.0740 Bq/kg:1996年 九州・沖縄
・0.0580 Bq/kg:1996年 北陸・甲信越
・0.0550 Bq/kg:1994年 北海道
・0.0085 Bq/kg:1994年 北陸・甲信越
※全試料数8件、検出数5件


当該の画面は下記の通り:

○北海道
経年変化データ(PDF、110KB)
濃度範囲データ(PDF、107KB)
預託実効線量の計算(PDF、102KB)検索した

○北陸・甲信越
当該の画面は下記の通り:
経年変化データ(PDF、108KB)
濃度範囲データ(PDF、108KB)
預託実効線量の計算(PDF、102KB)

○関東:
経年変化データ(PDF、103KB)
濃度範囲データ(PDF、107KB)
預託実効線量の計算(PDF、88KB)

○九州・沖縄
当該の画面は下記の通り:
経年変化データ(PDF、108KB)
濃度範囲データ(PDF、108KB)
預託実効線量の計算(PDF、102KB)

◎全国
経年変化データ(PDF、108KB)
預託実効線量の計算(PDF、101KB)
※全国にした場合は『「全ての地域」が選択されている場合濃度範囲図は作図できません)』となり「濃度範囲データ」は表示されなかった。


※預託実効線量: 計算式 計算例


実はたった数件のデータだが、ここまで整理するために相当な手間を費やした。無駄にFLASHで作りこんでいる割には必要な情報を一覧しにくいインターフェースになっている。

分かりやすく言うと「意地悪な作り」になっている。「全体を一覧できる情報はできるだけ見せない」という意図があるのだろうか。

核種・地域・データ区分を対話形式で細かく指定させ、その情報だけしか見せない仕組みで、一覧情報へのアクセスが全く無い。全体情報の中で得られる異常を察知できない。たまたま見た人がその条件で異常かどうか確認することは困難だ。これはおそらく「情報公開してますよ」というパフォーマンスだけは見せておいて、できるだけ情報公開しないという情報操作のためにやっているのではないだろうか。

なお、データ出典は「放射能測定結果報告書(平成21年度)」などと文字で書いているだけで、ネット上を検索しても公開情報としては見当たらなかった。どこのデータか自分で調べて検証しなければならない。国民がヤバいデータに近づくのをできるだけ阻止するために作りこんでいるのだろうか。

「データはここにあるよ」といった情報をお持ちの方は是非お知らせいただきたい。


※関連記事:
北九州市内のスーパーに茨城県産メロン(2011年6月)
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