福島原発の事故後に米国フィラデルフィアで新生児死亡率が48%上昇/水道水にヨウ素-131の雨が混入か
日本で同様の影響が出ていない訳は無いと思うのだが、実態はどうなのだろうか。臨床データをご存知の方は是非お教えいただきたい。上記ビデオは事件を伝えるFOXニュース(英語ページ)
詳細記事:
Summify - 福島の原発事故後、アメリカの新生児死亡率が急上昇◆妊婦さん要注意◆福島の子供に体調異変|☆USA☆ My Days in New Jersey
※2011.08.09(火)12:35追記:
タイトルの数値を「45%」としていたが、FOXニュースの報道を良く聴くとで「48%」と聴き取れるためタイトルを修正した。
上図はフィラデルフェイアにおける新生児死亡数(1週間当たり平均)のグラフ(冒頭のビデオ2分33秒付近の画面キャプチャ)。日本から放射性降下物が到達する前の5週間と到達後の10週間についてCDCのデータで確認している。これを元にフィラデルフィアの48%増加を算出している。全米平均の2.3%増加と比べると明らかに異常だ。なお、上で紹介したブログによると、西海岸北部は32%増加でこれも異常だ。太平洋どころか北アメリカ大陸をも越えた東海岸のフィラデルフィアが西海岸より大きいホットスポットになっているのかもしれないと思うとぞっとする。
※ビデオから聴き取ると、到達前は5.0人/週、到達後は7.5人/週、と言っているが、検算すると、
(7.5 - 5.0) / 5.0 = 0.5 ( =50% )
ということで48%と2%差がある。どうやら「到達前は5.0人/週」は小数点以下を省略しているらしく、逆算すると「到達前は5.07人/週」とすると48%になるので、オリジナルはこのあたりの数値ではないかと推察する。
※参考(Wikipediaより):
フィラデルフィア(英: Philadelphia)は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州南東部にある都市。フィラデルフィア郡の全域を占めるペンシルベニア州最大の都市である。北米有数の世界都市とも言える。市域人口は151万7550人(2000年国勢調査)で全米第5位。都市圏 (MSA) の人口は5,687,145人で全米4位、広域都市圏(合同統計地域: CSA)の人口は6,207,223人で全米7番目の規模(いずれも2000年国勢調査)である。
※2011.08.19(金)09:29追記:
下記の関連記事を掲載した:
・警告:カナダや米国(アメリカ合衆国)といった北米への避難には慎重な調査が必要
※2011.09.11(日)11:32追記:
統計データの処理について問題点を指摘する記事があった。公正を期すため下記に紹介する:
・原発事故以降アメリカ北西部で乳幼児の死亡数が35%上昇しているって、ホント? - warblerの日記
この記事では、
(1)都市の選択が恣意的
(2)期間の選択が恣意的
といったことから死亡数の上昇は「統計のデマ」ではないかと主張している。これはこれで筋が通っているようだが、
(1)都市の選択はホットスポットの影響では?
(2)期間の選択は季節変動を吸収するためでは?
など、条件設定の背景があったのかもしれない。現時点ではいずれにも断定しかねるので、さらなる情報が得られるまで評価は保留する。
※2011.09.11(日)11:40追記:
やはりというか、他に同様な議論を試みた記事があったので紹介する:
・米国で乳児死亡率が上昇その2 批判と検証 - 会計スキル・USCPA
この記事には否定的なコメントが付いており決着がついていない。引き続き新たな情報を注視したい。
※2011.09.21(水)20:51追記:
他にも統計的な検証を行い否定的な結論を出した記事があったので紹介する:
・福島原発事故後の米国北西部の乳幼児死亡数
※2012.01.03(火)17:15追記:
本件と類似の分析により、米国内での約1万4千人の死亡についてフクシマ由来の放射能との相関が疑われるとする論文が学術誌に掲載され、オンラインで公開されている:
・Joseph J. Mangano and Janette D. Sherman: AN UNEXPECTED MORTALITY INCREASE IN THE UNITED STATES FOLLOWS ARRIVAL OF THE RADIOACTIVE PLUME FROM FUKUSHIMA: IS THERE A CORRELATION?, International Journal of Health Services, Volume 42, Number 1, Pages 47.64, 2012.
http://www.radiation.org/reading/pubs/HS42_1F.pdf
(英文PDF、456KB)
このトピックが学術誌に掲載されたインパクトは大きいと思う。タイトルを直訳すると「フクシマ由来の放射性プルーム(雲)の到達に続いた米国における予期せぬ死亡の増加:相関はあるのか?」となる。概要や解説は下記(外部リンク)を参照して欲しい。
○参考記事:
・アメリカで原発事故の放射能と関連した死亡が推定14000人/Seetell.jp
・International Journal of Health Services誌掲載記事:福島原発事故の影響で米国の死亡者数1万4千人増加か/EX-SKF-JP
※2012.01.31(火)10:59追記:
「米国内での約1万4千人の死亡」も含め改めて反論を行っている記事があったので紹介する:
・ジャネット・シェルマンさんら再び - warblerの日記
反論は統計処理の不備に関するものらしい。一見すると学術的な反論のようだが、政治的な背景があるようにも感じる。現時点では信憑性の判断は留保する。
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Posted by: Fukushima | Feb 04, 2014 03:39 AM