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Jul 21, 2011

「環境首都」を目指すがゆえに「放射能対策」が後手に回る北九州市のジレンマ

先週の記事「放射性セシウムが検出された千葉県流山市の焼却灰を北九州市のリサイクル施設がすでに受け入れ」はこの1週間で大変な反響があった。短期間に万単位のアクセスがあった。コメント欄以外にメール等で様々な方から多数のお問い合わせをいただいている。また、某巨大匿名掲示板で「テンプレ」と呼ばれる固定枠にリンクが掲載されており、社会的関心がいかに高いか伺うことができる(このブログ記事がテンプレに採用されたのは今回が初めてだ)。

一方、同記事の追記で掲載していたように、先週7/14(木)朝に北九州市環境局循環社会推進部循環社会推進課のメールフォームから関連する問合せを送っていたにも関わらず、大変残念ながら、1週間以上経過した現時点までに、北九州市からは何の回答も来ていないし、問い合わせに関連すると思われる追加の訂正報道や記者発表資料も確認できない。予想通りの経過であり、やはり本件は「根が深い」問題だと思う。

根が深い」という点を説明しておこう。

北九州市は「環境首都」として様々な事業に力を入れており、これが現在は行政としての重点施策となっている。しかし、この場合の「環境」は主にCO2削減などを指しており、「放射能」は全く範疇になっていない

※参考:
世界の環境首都とは魚拓
人と地球、そして未来の世代への北九州市民からの約束~世界の環境首都をめざして~(グランド・デザイン)魚拓


北九州市が放射能対策に出遅れ、同じ土俵にあった秋田県小坂町等の対応に大きく引き離された最大の原因は、皮肉にもこの「環境首都」という看板事業にあると思う。

北九州市にとって「放射能対策」は「環境首都」と真っ向から対立しており、放射能対策を進めようと思えば市内の主要産業は大打撃を受けるだろう。多くの企業が主力事業として関与しており、その裾野となる企業がそこに依存しているからだ。

参考までに、北九州市が「環境首都」を目指す起点となった有名な逸話「『青空が欲しい』運動」を紹介しておこう。時々テレビなどでも紹介されていることから、北九州市民なら一度は聞いたことがある話だと思う。

上の写真は「aサロン(記者ブログ)_九州なんでんかんでん_いのちを守る女性パワー」に掲載のものを見やすいように配置し直したものである。この写真で分かるように、北九州市は今でこそ「環境首都」を目指すほどの都市だが、1960年代には公害の激しい工業都市であった。産業発展優先の行政、利益優先の産業界、ともに公害対策には全く関心が無かったようだ。

しかし、戸畑区で「子どもの健康を心配した母親たち」によって「『青空が欲しい』運動」が始まり、環境対策が始まったのである。

上の写真は「公害克服への取り組み - 北九州市」(魚拓)に掲載のものを見やすいよう拡大して配置し直し、キャプションも付け直したものである。

※参考:
 テレビ朝日|素敵な宇宙船地球号 [第412回] 1月15日 23:30~24:00放送
 「鉄鋼の街の挑戦」 ~青空を取り戻した主婦たち~
 http://www.tv-asahi.co.jp/earth/contents/osarai/0422/魚拓

市役所の担当職員の皆様はまじめで優秀な方ばかりだと確信しているが、組織としての北九州市にはこれ以上の自浄能力は無いと思う。「『青空が欲しい』運動」のような市民の動きが無ければ、事態は悪化する一方だろう。同運動が起こった同じ戸畑区で、いま再び類似の問題が持ち上がったことは、何かの因果があるのかもしれない。

多くは期待できないが、すぐにあきらめもしない。個人としてできることを、出来る範囲で地道に続けたいと思う。

※2011.07.31(日)17:07追記:
下記2件の関連記事を掲載した:
「OECDのグリーン成長に関する世界のモデル都市」って何?
北九州市が流山市から受け入れた焼却灰に含まれる放射性物質の98.8%は流出済みと推定/関門海峡は「死の海」、戸畑の空は「死の空」か

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