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Jul 29, 2011

「OECDのグリーン成長に関する世界のモデル都市」って何?

「モデル都市には2010年にパリとシカゴが選定。今年はストックホルムとともに北九州市が選ばれた。」とのことだが、そもそも「OECDのグリーン成長に関する世界のモデル都市」なんて初耳だ。

昨年2010年にパリとシカゴが選定された点について、日本語・英語で色々と検索してみたが、今回の北九州市が選定されたニュース以外に該当する資料が出てこない。昨年の選定なら昨年のタイムスタンプで関連ニュース等の情報が出てくると期待したのだが、なぜ出てこないのだろうか。

ちなみに、米国イリノイ州の大都市・シカゴ市のホームページCity of Chicagoの検索窓から「OECD Green Cities Programme」等のそれらしいキーワードで検索したが、やはり該当する公文書がヒットしない。

※パリ市とストックホルム市の公式ホームページも調査したいところだが英語検索の範囲外なので残念ながら実施していない。


「まさか」とは思うが、もしかしたらこのニュースは壮大な捏造か何かなのだろうか。

直接の関係は無いが、こんなニュースを思い出した:
ノーベル平和賞に対抗 “茶番劇”孔子平和賞に失笑 本家同様、受賞者不在 - MSN産経ニュース
日本の人気アイドルグループが「尖閣は中国の領土!」と主張…中国紙報じる


本件に関し、北九州市が作成したと思われるプレスリリースが出ているのだが、何故か北九州市の記者発表サイト魚拓)には掲載が無く、OECD東京センターのサイト魚拓)に掲載されている。

※2011.08.11(木)17:37追記:
さきほど北九州市の記者発表サイト(7月分)を見ると、7/29(金)には掲載されていなかった項目が7/28付けで追加されていることを確認した。改めて魚拓を取得したので比較用に並べて置く:
2011年7月29日 17:28に記録された魚拓
2011年8月11日 17:14に記録された魚拓

何から何まで謎だらけの「モデル都市」だと思うのだが、皆様の判定やいかに?!


以下、北九州市が作成したと思われるプレスリリース(PDF)のテキストのみ抽出したもの:

(プレスリリースここから)

平成23年7月28日
環境局環境国際戦略課(582-3804)
課長:櫃本、係長:久保

OECDがグリーン成長に関する世界のモデル都市として北九州市を選定
アジア地域で初!

 本市と経済協力開発機構(OECD)は、このたび、都市のグリーン成長モデル(環境と経済が両立した都市発展モデル)となる都市として、本市を選定し、その政策等について分析・評価を行うことで合意した。
 これは、OECDが昨年から取り組む「グリーンシティプログラム」の一環として、グリーン成長に関する世界のモデル都市の政策や成果を検証し、報告書としてまとめ、全OECD加盟国に情報発信することにより、世界のグリーン成長を促進することを目的とするもので、アジア地域でモデル都市に選定されたのは、北九州市が初である。
 今後、本市のグリーン成長に関する政策、事業、成果等について、OECDによる分析、評価が行われ、その成果は、すべてのOECD加盟国に報告書として配布される。
 また、本市として、OECDを通じた世界中への環境情報発信により、「世界の環境首」の都市ブランドの構築等につなげていく。

1. グリーンシティプログラム
 世界の数都市をグリーン成長のモデル都市として選定し、各都市での政策等の分析を通じ、成功要因等を見出し、これを報告書としてまとめ、すべてのOECD加盟国(34カ国)に配布し、今後のグリーン成長政策に活用する。
 今後、OECDへの北九州市の情報提供、OECD調査団の来北や分析等が行われ、平成24年冬頃までに、北九州市に関する最終報告書がまとめられる予定である。
2. 世界で選定されたモデル都市(平成23年7月現在)
 北九州(日本)、パリ(フランス)、シカゴ(米国)、ストックホルム(スウェーデン)
 本市は、2008年にイタリア・ミラノ市で開催されたOECD国際会議に、日本の代表都市として招待され、市長が環境モデル都市の取組みを紹介し、OECDなど多くの参加者から高い評価を得た。今回の選定は、日本のトップを走る環境モデル都市として評価されたものである。
3.(仮称)OECD「グリーンシティプログラム」北九州チームの設立
 本市の政策等を集約、整理やOECD調査団への対応のため、専門家等からなるチームを、近日中に設置する。なお、地元チームの設置は、OECDプログラムにおいて求められている。
http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/territorial/20110728greencity2.pdf
(PDF、118KB)


関連資料:

GREEN CITIES PROGRAMME
経済協力開発機構(OECD)グリーンシティプログラム

プログラムの目的
 経済協力開発機構(OECD)は、昨年6 月から「グリーンシティプログラム」を開始しました。これは、都市のグリーン成長に関する政策が、都市レベルの経済発展と環境の質の向上、さらには、国レベルの経済成長と生活の質の向上にどのように貢献できるのかを評価することをめざしています。
 昨年5 月にパリで行われたOECD「都市とグリーン成長に関する首長と閣僚のための円卓会議」では、参加した首長と閣僚から、グリーン成長に関する政策が与える影響を正しく評価することの重要性、必要性が指摘されました。本プログラムは、世界のモデル都市における政策分析・評価を通じて、この要望に応えようとするものです。

プログラムの内容:ケーススタディ、指標、比較分析

 プログラムは主に次の4 つの要素により構成されます。

1. コンセプトペーパーの作成(概念整理とモデル都市における分析評価の枠組みの構築)
今年5 月に発表されたOECD「グリーン成長戦略」では、グリーン成長とは「自然資産が今後も我々の健全で幸福な生活のよりどころとなる資源と環境サービスを提供し続けるようにしつつ、経済成長および開発を促進していくこと」と定義されています。本プログラムでは、これを都市レベルで捉え、都市のグリーン成長のあり方に関する概念を整理するとともに、ケーススタディの前提となる分析評価の枠組みを構築し、コンセプトペーパーとして公表します。

2. ケーススタディ(モデル都市における政策分析・評価)
ケーススタディを行うモデル都市は、OECD 加盟国あるいは非加盟国の、地理的、経済的条件の異なる都市の中から選定されます。OECD は、選定されたモデル都市におけるグリーン成長に関する政策について、他都市との比較に基づき分析・評価します。その成果はモデル都市ごとの報告書として公表されるほか、全体報告書にも盛り込まれます。また、モデル都市は、OECD が開催する「首長と閣僚のための円卓会議」に参加し、自
らの取組みについて情報発信を行うとともに、他の参加都市、参加国とのハイレベルの意見交換を行います。

3. 都市とグリーン成長に関する政策指標の開発
OECD では、都市圏レベルで比較可能な、環境の質に関する指標(土地利用、交通、大気の質など)の開発を行っています。本プログラムでは、この指標をさらに充実させるため、モデル都市においてデータ収集を行います。

4. 報告書の作成
モデル都市の比較分析の成果は、OECD「グリーンシティ報告書」としてまとめられます。公表時期は、2012 年末から2013 年前半を予定しています。この報告書は、各国の中央政府、地方政府が、都市レベルのグリーン成長戦略を策定する上で役立てられることを目指しています。

問合せ先

本プログラムは、OECD 公共ガバナンス・地域開発局(Directorate for Public Governance and
Territorial Development)において、OECD 環境局(Environment Directorate)との連携のもとに実施されます。本プログラムに関する問合せ先は次のとおりです。

OECD 公共ガバナンス・地域開発局 地域開発政策課
Ms. Lamia Kamal‐Chaoui(lamia.kamal‐chaoui@oecd.org)

OECD 東京センター(国内問合せ先)
所長 中谷好江(yoshie.nakatani@oecd.org)
03-5532-0022(代)

経済協力開発機構(OECD)グリーンシティプログラム
(PDF、132KB)

(プレスリリースここまで)


以下、関連ニュースを3件ほどまとめておく:

(関連ニュースここから)

OECD selects Kitakyushu as green growth model city for assessment+
Jul 28 06:24 AM US/Eastern
KITAKYUSHU, Japan, July 28 (AP) - (Kyodo)?The Organization for Economic Cooperation and Development said Thursday it has selected Kitakyushu in Fukuoka Prefecture as the first green growth model city in Asia for policy assessment.
It is the fourth city selected for the OECD's Green Cities Program, following Paris, Chicago and Stockholm.
Under the program, the organization will send a survey mission to Kitakyushu, southwestern Japan, to analyze and assess the municipality's economic growth and environmental policies with a view to making a policy assessment report by the first half of 2013.
The report will be distributed to the 34 OECD member countries and used by their central and local governments for developing economic growth strategies consistent with environmental policies.
"The OECD has paid attention to Kitakyushu as a city that has overcome pollution problems," OECD Tokyo Centre head Yoshie Nakatani told a press conference to announce the selection in the city. "As indicated by a recent eco-town project and the like, it is a city that makes the most advanced efforts in Asia on environment conservation."
Kitakyushu Mayor Kenji Kitahashi told the same conference, welcoming the selection, "The international organization's objective assessment for global information will be encouraging for the city that is aspiring to become the world's environmental capital."
http://www.breitbart.com/article.php?id=D9OOJHPO0&show_article=1


北九州の環境政策「世界モデル」に OECDが選定
2011年7月29日 00:52 カテゴリー:九州 > 福岡 経済
 北九州市は28日、環境分野の技術開発や投資で持続的な経済成長を図る「グリーン成長戦略」推進の取り組みを世界に紹介する経済協力開発機構(OECD)のモデル都市に、アジアで初めて北九州市が選定されたと発表した。OECDは今冬にも調査団を同市に派遣、早ければ来年末に報告書をまとめ、世界34の加盟国に情報提供する。
 OECDは、世界規模でグリーン成長戦略を促進するため、昨年から加盟国の中でモデル都市の選定と調査を開始。これまでにシカゴ、パリ、ストックホルムが選定されている。
 OECDは、調査団を今後1年以内に計2回派遣し、北九州エコタウン(若松区)や市環境ミュージアム(八幡東区)などで現地調査を実施。環境保全や省エネ普及策、環境分野の投資を呼び込み、税収や雇用を増やす「緑の成長戦略」など、同市の環境施策について報告書をまとめる。
 市は調査に対応するため、来月にも産学官で構成するチームを設置。北橋健治市長は会見で「市の環境政策が世界に飛躍し、市が目指す『世界の環境首都』構築につながる」と語った。
 2008年、イタリア・ミラノ市で開かれたOECD会議で北橋市長が公害を克服した市の歴史や環境関連技術を紹介。OECD側がその取り組みを高く評価し、今回のモデル都市選定につながった。
=2011/07/29付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/255780


北九州市、環境・経済両立モデル都市に OECDが選定
2011/7/29 5:30
 経済協力開発機構(OECD)は28日、経済成長と環境政策を両立した「グリーン成長モデル都市」に、アジアで初めて北九州市を選定したと発表した。OECDは今後、調査団を派遣して、同市の取り組みや成果を分析・検証。2012年冬ごろまでに報告書をまとめ、加盟国に先進事例として紹介する。同市は今回の選定を環境ビジネスの海外展開に活用する。
 モデル都市には2010年にパリとシカゴが選定。今年はストックホルムとともに北九州市が選ばれた。公害問題を克服してきたこれまでの実績と、リサイクル技術の集積などの取り組みが評価されたという。
 北橋健治市長は記者会見で、「環境政策やその成果が客観的に評価され、全世界に発信されるのは大きな飛躍となる」と述べた。同市環境局は、水ビジネスの海外展開や環境関連企業の海外進出の加速などが期待できると見込んでいる。
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819891E0EAE2E2858DE0EAE2E5E0E2E3E39E8AE2E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E5E2


(関連ニュースここまで)

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Comments

私もOECDのHPを見てどこにもこの件の記述が見当たらないので不思議だなと思っていました。やはりほんの一瞬作り事だろうかとも思いました。隅から隅までHPを確認したわけではないのですが。

Posted by: moon | Mar 05, 2012 at 07:32 AM

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