「園長は誠意ない」 熱中症死亡男児の遺族心境語る(朝日新聞)
久々に朝日新聞が中井保育園について報道した。
10月以降、朝日新聞以外のメディアは沈黙を保っている。事件関係者の起訴がどうなったのか、再発防止の対応がどうなったのか、などは相変わらず全く分からないままだ。
報道によると、ご遺族は北村寿和元園長の対応から誠意を感じられないということだ(報道では「園長」となっているが、すでに閉園しているのだから「元園長」が正しいと思うのだが)。
なお、中井保育園の運営会社であった旧・有限会社エスプワールは、現在は株式会社リトアークとなっているようだ。登記簿謄本は確認していないのでその正確な継続関係は分からないが、先月11日付で出された求人情報(07.12.25(火)00:10追記:リンク切れに備えて魚拓を取っておく)に記載されている特定労働者派遣事業の認可番号(特40-300191)が同じであることから、少なくとも派遣事業については継続性があることは間違いない。(※これらの企業情報は全てインターネット上の公開情報であり、現時点で誰でも自由に閲覧できる状態である)。
ところで新旧の社名について調べてみたのだが、どうやら旧社名「エスプワール」(espoir)はフランス語で「希望」、また新社名「リトアーク」(Litark)はチェコ語で「祈祷」という意味のようだ。どのような心境で「希望」が「祈祷」となったのだろうか。今回の事件に関連してこのような変化が生じたのだろうか。また、チェコ語というとあまりなじみのない言語だが、なぜチェコ語を社名に使っているのだろうか。実に興味深い。
以下、引用記事:
「園長は誠意ない」 熱中症死亡男児の遺族心境語る
2007年12月24日12時05分
北九州市小倉北区の中井保育園(10月に廃園)で7月、園児の浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2)が炎天下でワゴン車内に放置されて亡くなった事故で、両親の健太郎さん(30)と美香さん(24)が事故後初めて報道各社の取材に応じ、「誠意がない」と同園の北村寿和園長(31)への怒りを口にした。
「暖人を返してほしい。返してくれない以上、一生十字架を背負って生きていただきたい」。健太郎さんは言った。
北村園長らスタッフは11月3日の百日忌、同月27日の月命日に夫妻宅を訪れ、焼香の際に「申し訳ない」と謝罪の言葉を述べたという。が、夫妻は「態度から謝罪の気持ちは感じ取れなかった」と話す。園長は「(自分も)書類送検されそうだ」とも話したという。
市からも8月以降、経過報告などが一切ないという。美香さんは「何かが起きてからじゃないと動かない。起きる前にしてくれないと」と不満を語った。
夫妻は心労や事故後の対応のために元の仕事を辞め、四十九日法要後に再就職した。工場勤務になった健太郎さんは労災で右足を骨折する不運にも見舞われたが、少しずつ笑顔を取り戻しつつあるようだ。
暖人ちゃんは今月28日に誕生日を迎えるはずだった。美香さんは誕生日とクリスマスのプレゼントを兼ね、好きだったキャラクターのクッションを手作りした。健太郎さんは「園長たちには大切な人がいて、一緒にクリスマスや正月を迎えられる。私たちにはそれができない」と涙ぐみ、「全国の保育士や園の経営者に、命を預かる仕事の重みを改めて感じてほしい」と訴えた。
07.12.25(火)00:25追記:
朝日新聞以外にも各社で報道があったようです。
下記はRKBから引用:
暖人ちゃんの3歳の誕生日を前に 12/24 19:32
きょうは、クリスマスイブです。
この楽しい夜を迎えられなかった2歳の男の子がいました。
今年7月、炎天下に保育園の送迎車に取り残されて亡くなった、北九州市の浜崎暖人ちゃんです。
3歳の誕生日を前に、きのう両親が現在の心境を語りました。
今年7月、北九州市小倉北区の中井保育園の駐車場で、浜崎暖人ちゃんが炎天下の送迎車に取り残され、熱射病の症状で死亡しました。
暖人ちゃんの両親はきのう、取材に応じて現在の心境を語りました。
いつも両親と川の字になって寝ていたという暖人ちゃん。
事件がなければ、今月28日の誕生日で3歳になるはずでした。
事件後に閉園した中井保育園の北村寿和元園長やスタッフは先月、両親の自宅を訪れて、改めて謝罪したということですが、両親は園の対応に怒りをにじませます。
警察は、業務上過失致死容疑で、当時の園長や保育士の捜査を進めていますが、その場に居合わせなかった北村元園長の管理責任の立証に時間がかかっています。
無邪気な笑顔を振りまく暖人ちゃんの遺影は、たくさんのおもちゃに囲まれています。
暖人ちゃんはアンパンマンが大好きでした。
母親の美香さんのひざの上には、亡くなった一人息子へのクリスマスプレゼント、手作りのアンパンマンのクッションが置かれれていました。
下記は読売新聞から引用:
「息子の死今も信じられず」園児熱射病死事件で両親が心境語る
今年7月、北九州市小倉北区の無認可保育所「中井保育園」(10月24日に廃園届提出)の園児・浜崎暖人(はると)ちゃん(2)が送迎車内に取り残され熱射病とみられる症状で死亡した事故で、暖人ちゃんの両親が23日、同区内の自宅で記者会見した。
27日で事故発生から5か月となることに関し「いなくなったことが今でも信じられない」と心境を語る一方で、県警による業務上過失致死容疑での捜査については「見守るしかない」と言葉少なに話した。
28日の暖人ちゃんの誕生日を前に、父親健太郎さん(30)と母親美香さん(24)が会見。美香さんは3歳の誕生日プレゼントとして、大好きだったアンパンマンのクッションを縫ったと言い、健太郎さんは「せっかく生まれてきてくれたのに、まさか3歳にもならずに生涯を終えてしまうなんて」と声を震わせた。
2人は、炎天下の車内に取り残された暖人ちゃんに何か飲ませてあげたかったという思いから、毎日、祭壇に飲料水やヨーグルトを供えているという。
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