保育園熱中症死 園長らを書類送検へ 福岡県警（11/10・朝日新聞）

北村寿和・元園長が送検される見通しだ。

現場にいた当事者だけでなくその場にいなかった管理責任者を送検するということは、それなりに重みのある処分だ。おそらく略式で罰金刑になるだろうが、異議申立せず罰金を支払った場合は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」の第六条に定める欠格事由に該当し、特定派遣事業届出の認可が取り消されることになるかもしれない。すなわち、先月１８日付で商号を変更した派遣会社は実質的に運営ができなくなる。今後、派遣会社の社員の処遇やご遺族への賠償能力などが心配される。相変わらず先行きがすっきりしていない。

07.11.22（木）04:30訂正：
・コメント欄にてご指摘がありましたとおり、業務上過失致死（→Wikipedia）（刑法・第211条）は欠格事由にならないことを確認しましたので、記事を訂正します。確認は公的機関へ電話して行いました。ご指摘ありがとうございました。
・記事掲載にあたって私が確認した時、「刑法」により処罰されると一律で欠格事由になると記載した資料が複数ありましたが、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」の第六条に定める欠格事由の条文（→厚生労働省のHPに全文掲載）にはそのような記述はなく、刑法に関しては「第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の三、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪」と限定してあります。すなわち、刑法犯罪に関して欠格事由とされるのは
　・傷害（第204条）
　・（傷害及び傷害致死の）現場助勢（第206条）
　・暴行（第208条）
　・凶器準備集合及び結集（第208条の3）
　・脅迫（第222条）
　・背任（第247条）
の６項目です（→刑法）。
※本筋と関係ありませんが「傷害」（第二百四条）が欠格事由なのにそれより重いはずの「傷害致死」（第二百五条）の記載がないのはどのような法解釈なのでしょう。素人ながら疑問です。ご存知の方がいらっしゃいましたらご教授ください。

以下、引用記事：

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http://www.asahi.com/national/update/1110/SEB200711090007.html
保育園熱中症死　園長らを書類送検へ　福岡県警　
2007年11月10日03時06分

　北九州市小倉北区の私立中井保育園で７月、園児が炎天下の車の中に放置されて熱中症で死亡した事故で、福岡県警は北村寿和園長（３１）と保育士ら数人を業務上過失致死容疑で福岡地検小倉支部に書類送検する方針を固めた。事故は園外保育から車で戻った際に発生。北村園長は園外保育に同行していなかったが、県警は、園長は園の管理者として、降車の際の点呼など園児の安全確認について保育士らを指導・監督する義務を怠っていたと判断した。
　調べでは、北村園長らは７月２７日午後１時半ごろ、園外保育から戻った際、送迎用ワゴン車に園児が残っていないか確認を怠り、園児の浜崎暖人（はると）ちゃん（当時２）を車内に残したまま炎天下の屋外駐車場に約３時間半、車を放置。暖人ちゃんを熱中症で死亡させた疑いを持たれている。北村園長は、同日朝に園外保育に出かけることを許可していた。
　県警の調べや園側の説明では、同日は保育士ら４人が引率や送迎を担当し、暖人ちゃんを含む園児２１人を連れ近くの公園へ園外保育に出かけた。
　保育士らは午後４時半ごろ暖人ちゃんがいないことに気づいた。４時５０分ごろになり、駐車場の送迎車の中で倒れている暖人ちゃんを発見。５時１０分ごろ園長に連絡した。
　園は５時半ごろになって１１９番通報したが、暖人ちゃんはすでに心肺停止状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。
　事故当日の北九州市は日中の最高気温が３３度を超えていた。県警の現場検証では車内の温度は５０度近くまで上昇したとみられる。病院到着時、暖人ちゃんの体温は４０度８分に達していたという。
　北村園長は１０月１９日、朝日新聞の取材に応じて「会社の運営者として使用者責任がある」と話していた。

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