自殺予告手紙を書いた子は自殺しない
結論から言うと、私は「手紙を書いた子は自殺しない」と考えている。
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自殺予告手紙について、今朝はさらに別の視点から考察してみた。まず、文部科学省の公表ページ「いじめを原因とする自殺予告の手紙の公表及びお願いについて」に「自殺予告の手紙」(PDF:607KB)が掲載されている。まずは、このPDFファイルをご覧いただきたい。直筆のたどたどしい自殺予告手紙をスキャンしてそのまま公表している。
すでに以前の記事で書いているが、私も子供のころ、これと非常に良く似たことを考えたことがあり、その子の心理的背景について感じるところが多い。この筆跡・文面からは、生きる力強さが感じられる。匿名性を持たせる、という知恵(この手紙は匿名でなければならなかった。実名だと、自分の周囲に証拠隠滅が及ぶから、ということが理由だと思うが、一方、匿名だったからこそここまで全国的、いや世界的な、大騒ぎになる、という結果になった)を使うだけの精神的余裕が感じられる。生死の境界を行き来したことは間違いないが、手紙を書いている時点では、死の境からはるか離れたところにいると感じる。
私が小学生のころ、やはり子供の自殺が大問題になり、連日のニュースを賑わせた時期があった。魚釣りにいくのを叱られたと自殺した子供がいた。私は「いいぞいいぞ!もっとやれ!そしたら周囲が心配して自分の言うことを聞いてくれるようになるぞ!」と思った。図書館には「ぼくは12歳」という本があり、「自殺って、周囲に影響を与えるには有効な手段なんじゃないか?」と思った。今、振り返ると、そこまで考察するゆとりがあったんだと思う。
そして30年の歳月が流れ、現在の私に通じている。追い詰められて自殺する人が私の周りに何人も現れた(不慮の事故や事件、病気など、自分で望まない死を迎える人はもっとたくさん見てきたが)。だからこそ思う、「手紙を書いた子は自殺しない」と。
むしろ、手紙に同調した他の子供が、今日、11/11(土)に学校の教室で首吊り自殺する可能性は高い。他人の自殺に同調して自殺するというケースがある。
※当初から思っていたが、事前に書くと「自殺できるものならやってみろ」と煽ることになるので、あえて掲載日を予告日当日にずらした。また、当然ながら、私は、このケースでは自殺以外の解決策を探るのが、誰の立場にとっても良いと考えている。
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